どうしたらゆったり暮らせるの?
毎日忙しくて、やることは一向に減らない。いつも何かに追われているみたい。「もっと時間があったら、あれもやりたい、これもやりたい」と思いつつできずにいることが、もう何年ごしでいくつもある--。っていう人、多いですよね。ガイドのシンプルライフの理想は「時間に追われず、しかし時間を浪費しない暮らし」。セカセカ何かに追われることなく、ゆったりと暮らしを楽しむ。それでいて、するべきことはきちんとできている、そんな暮らしです。
時間を大切にすることは、時間と友達になること‥ |
タイマーで複数の作業を同時進行
そこで活用したいのが、「タイマー」。「ゆったりした暮らし」にタイマーなんて、場違いなようですが、いくつもの作業を同時進行させ、かつ焦らず、集中して行動するためには、タイマーは強力な味方です。たとえば、粉石けんで洗濯するのに、2~3分洗濯機を回してよく石けんを溶かしてから洗濯物を入れる。この2~3分の間、つい他のことをしてしまい、気がついたら何も洗わずに1サイクル終わってた、なんてことにならないためには、洗濯機に貼り付けたタイマーに頼りましょう。
料理の最中にも、冷蔵庫に貼り付けたタイマーが大活躍。料理しながら、細かい片付けや作業をちょこちょこ済ますことができます。
「いつかやろう」と思っているだけでは、なかなか取り掛かれない掃除や片付け。これも、タイマーを15分に設定して、とりあえず一つの引き出しだけ、一ヶ所の拭き掃除だけから始めましょう。15分あれば、そこそこの作業がこなせるだけでなく、集中力も継続するので、負担感がないわりに効率がいいのです。
時間を計った方が、ゆとりが生まれる
もちろんこの時間は15分じゃなく、5分でも、30分でもいいのです。大切なのは「時間を区切ること」。アメリカの女性詩人メイ・サートンの随筆『夢見つつ深く植えよ』(メイ・サートン、みすず書房)に、こんな一節があります。彼女は人生後半にさしかかってから、古い農家を買い取り修復し、一人で暮らしました。
はっきりと計量された時間には無限の空間があり、
その意味では音楽に似ている。
サートンが、膨大な仕事量をこなしたという彼女の父を回想しつつ書かれた一文です。「区切られた時間」がなしうる可能性を思わせ、時間とのよい付き合い方を示唆していると思います。
時間を計って何かをするということは、その時できることとできないことを見定め、取捨選択すること。あれもこれもと欲張らず、その時どきでできることだけをやっていった方が、結局は多くのことができる--それが、タイマー活用の最大の効用だと思います。
『夢見つつ深く植えよ』
みすず書房刊 2625円
ニューイングランドの自然の静謐な美しさを背景に、サートンのゆったりした、しかし文学への情熱あふれる暮らしに、シンプルライフの一つのあり方を見ることができます。
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