◆合羽橋をお手本にしよう!
東京・合羽橋の道具街をご存知ですか? ここは、レストランやカフェで使う業務用の調理器具や食器を扱う、食のプロのための街です。ガイドは若いころコーヒー店でアルバイトをしていたのですが、お使いで初めてここを訪れたとき、快い衝撃を覚えました。「なんでこんなに気持ちいいんだろう?」
当時、家庭用の食器といえば、引き出物に喜ばれるような花柄やデザイン過多のものが多かったのです。まだ百貨店の食器売り場といえば、こそばゆくなるようなファンシーな世界だったので「食器を売る店なんて、甘ったるい居心地悪い空間」という思い込みがありました。「FOB-COOP」や「無印良品」のような、シンプルなアイテムを扱うショップがようやく支持されるようになった頃でした。
しかし、初めて見る合羽橋の道具街の、このキリリと潔い雰囲気! その最大の理由は、「色がないこと」でした。実用一辺倒の業務用の鍋やレードルに、ピンクの花柄は要りません。ステンレスとアルミ、白の陶磁器がズラリと並ぶ店先は、当時の一般家庭の台所とはまるで違っていましたが、そのそっけなさがかえってカッコよく素敵に映りました。
シンプルライフの大原則の一つは、「規格の統一」。食器に関していえば、「同じ形・同じ大きさ・同じ色」に統一することといえるでしょう。同じメーカーの同じブランド・シリーズで揃えるのが簡単ですが、その場合、買い足しが可能な定番物に絞ることが大切です。
特に「色」は重要で、形の細部はともあれ、色さえ揃っていれば、とりあえずすっきりして見えるもの。もちろん、いちばんシンプルな色として、白がおすすめです。シンプルライフを実践している方の中には、「食器の色は白に統一している」という方がたくさんいらっしゃるようです。著名な料理家の方も、しばしば「どんな料理にも合うから、食器の色は白がおすすめ」とおっしゃっています。
そこで次回は、「揃えやすい・半端のでにくい、おすすめの白い食器」を特集したいと思います。
シリーズ記事
「シンプルライフの食器は白! 2」
「シンプルライフの食器は白! 3」
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