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英語圏文化に多くの影響を与えたマザーグースを読もう マザーグースを知っていますか?(3ページ目)

マザーグースは、ビートルズの歌詞や『不思議の国のアリス』などあちこちで引用され、英語圏文化を語る上で避けては通れません。今回はその中からいくつかとりあげ、ビートルズの引用についてもご紹介します。

森 弘之

執筆者:森 弘之

日常英会話ガイド

MOTHER GOOSE



マザーグースを知ってますか?

マザーグースは、おもにイギリスに古くから伝わる童謡です。
文学や音楽など、さまざまなジャンルで引用され、英語圏文化に大きな影響を与えています。

今回は、いくつかの有名なマザーグースを紹介するとともに、他の分野でどのように引用されてきたのかを見て行きましょう。
ロンドン橋落ちた 10人のインディアン ハンプティ・ダンプティ ビートルズも引用!

Ten little Injuns

Ten little Injuns standing in a line.
One toddled home and then there were nine.

10人の男の子が並んでた
1人がおうちに帰って9人になった

Nine little Injuns swinging on a gate,
One tumbled off and then there were eight.

9人の男の子が門に乗って遊んでた
1人が落ちて8人になった

(*)One little, two little, three little,
 four little, five little Injun boys,
Six little, seven little, eight little,
 nine little, ten little Injun boys.

(*)1人、2人、3人、4人、5人の男の子
6人、7人、8人、9人、10人の男の子

Eight little Injuns gayest under heaven,
One went to sleep and then ther were seven,

8人の男の子が楽しく遊んでた
1人が寝て7人になった

Seven little Injuns cutting up their tricks,
One broke his neck and then there were six.

7人の男の子がいたずらしてた
1人が首を折り、6人になった

(*) 繰り返し

(*) 繰り返し

Six little Injuns kicking all alive,
One kicked the bucket and then there were five,

6人の男の子が元気に飛び跳ねた
1人がくたばり5人になった。

Five little Injuns on a cellar door,
One tumbled in and then there were four.

5人の男の子が穴蔵の扉にいた
1人が転がり落ちて4人になった

(*) 繰り返し

(*) 繰り返し

Four little Injuns up on a spree,
One he got fuddled and then there were three.

4人の男の子が飲んで騒いでいた
1人が酔いつぶれて3人になった

Three little Injuns out in a canoe,
One tumbled overboad and then there were two.

3人の男の子がカヌーにのった
1人が水に落ちて2人になった

(*) 繰り返し

(*) 繰り返し

Two little Injuns fooling with a gun,
One shot the other and then there was one.

2人の男の子が銃で遊んでいた
1人がもう1人を射ち、1人になった

One little Injun living all alone,
He got married and then there were none.

1人の男の子は1人ぼっちで暮らしていた
1人が結婚し、そして誰もいなくなった

(*) 繰り返し

(*) 繰り返し


(Injunはアメリカインディアンですが、上の訳では、詩としての調子を整えるため、「男の子」として訳しました)


"One little, two little, ・・・"の部分など、日本でも歌われている有名な童謡ですね。この「10人のインディアン」は、作者や作成年も明らかになっていますが、インディアンの代わりに黒人が登場するものがあります。ここで紹介したもののほうが早く作られているため、オリジナルといえるものなのですが、10人の黒人("Ten little nigger boys")の歌のほうが一部では有名になり、アガサ・クリスティーの小説『そして誰もいなくなった』でも黒人バージョンのほうが物語の重要な鍵として使われています。

日本の童謡でもそうですが、マザーグースの中にはこのように人の死が登場するような少し怖いものもあります。
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