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世界のエリート養成!ボーディングスクール(3ページ目)

子供の個性を最大限に引き出し、世界と対峙できる人材を数多く輩出しているという「ボーディングスクール」について、留学のコンサルタントの斉藤克明さんにお話を伺いました。

河東 英宜

執筆者:河東 英宜

留学ガイド

なぜ、ボーディングスクールに世界中から集まるのか?

「テンスクールズ」の筆頭格、故JFケネディ大統領の卒業校、Choate Rosemary Hallのアートセンター。
ガイド:それにしても、10代にして家族と離れ、親しい友達とも別れ、英語のハンディキャップと異文化の中で寮生活をすることは決して簡単ではありません。また、親にとってもその費用負担は相当で、日本の私立中学・高校の5~6倍あるいはそれ以上と言われています。それにもかかわらず、なぜ世界中からボーディングスクールには学生が集まるのでしょうか?
斉藤さん:ボーディングスクールはカレッジプレップスクール(大学進学準備校)とも呼ばれているように、卒業後に名だたる大学に進学している人が多く、その実績が一番の理由でしょう。

特に、アメリカのボーディングスクールのなかで、学校の歴史、有名大学への進学実績、多様なカリキュラム、寄付金の総額など、どれをとっても世界のボーディングスクールの頂点ともいえる10校は「テンスクールズ」と呼ばれています。故JFケネディ大統領、親子2代ブッシュ大統領をはじめ、アメリカのみならず世界中の政・財界に著名人を多く輩出しています。

■参考:「テンスクールズ」
・Choate Rosemary Hall・ Deerfield Academy
・The Hill School・ The Hotchkiss School
・The Lawrenceville School ・The Loomis Chaffee School
・Phillips Academy, Andover・Phillips Academy, Exeter
・St. Paul's School ・The Taft School

ひとクラスの生徒数は、なんと12名!

ガイド:どのような教育方針で、学生を指導しているのですか?
斉藤さん:学校経営・運営のプロが150年以上の歴史と経験の中から生み出した、学生たちを自立させる技術は、今の時代においてまさにその力を発揮しているように思えます。世の中が豊かになればなるほど、情報量も増え選択肢が多く決断が重要になります。また、決断後もそれを成し遂げるまでが大変です。

ボーディングスクールでは、その訓練を早い時期から行います。多感な時期の学生一人ひとりの個性を理解したうえで、学生には課題を考えさせ、発表させ、結果をしっかりと評価してあげることで、その個性を尊重します。
アメリカのボーディングスクール約300校の1クラスあたりの学生数は平均12名です。先生と学生の比率はなんと、1:7です。徹底した少人数クラスであり、個人に対する指導体制です。留学生のクラスなどは学生数がそれ以下であるケースも珍しくありません。少人数制のクラスゆえに先生は個々の学生への配慮ができ、結果として個性を尊重することが可能となるのです。

ガイド:「先生」対「学生」の比率1:7には、驚きますね。
斉藤さん:教師陣の学歴も公開されているのですが、ボーディングスクールの先生は60%以上が大学院を終了しています。先生の中には、教えることを愛し、一生涯を同じ学校で過ごす人たちもいます。ボーディングスクールには「ぬし」の様な現場の先生と、実力を評価され3年くらいの周期で学校を変わる先生が程よく混在しています。そういったバランスも学校を活性化させている一因なのでしょう。



>>ボーディングスクール、その驚きの施設とは?>>
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