セミナーには北海道から九州までの大学関係者が集まった(@エルゼビア・ジャパン) |
(注)実際はランキングを作成している THE(Times Higher Education)社は、既にThe Times社から独立しているため、以下では「THE-QS世界大学ランキング」の名称を使用します。
2008年度のランキング発表に先立ち「THE-QS世界大学ランキング」がどのようなデータ・視点をもとに作成されているかを説明するセミナーがありました。(エルゼビア・ジャパン株式会社、 Quacquarelli Symonds社 (以下QS社)共催)
会場には約100名の日本の大学関係者が詰めかけ、その関心の高さを改めて認識させられました。
ランキング作成者による説明
「THE-QS世界大学ランキング」を作成しているQS社のリサーチ部門責任者ベン・ソーター(Ben Sowter)氏、ハシム・ヤーコブ(Hashim Yaacob)氏によると、同社が発表するランキングは公平を保つために、その作成の方法やベースとなっているデータを極力オープンにしたいとのこと。ランキングが「大学の活動状況、すなわち活火山と休火山を見分けるひとつの目安になれば」と述べています。このランキングは、世界の大学を、研究力(研究者の評価40%、教員一人当たりの被論文引用数20%)、就職力(雇用者側の評価10%)、国際性(外国人教員比率5%、外国人学生比率5%)、教育力(教員数と学生数の比率20%)で評価。
特に配点の高い「研究力」についての調査は大学教授が他の教授にポイントを入れるという手法で、5,101名の回答をもとに作成。ヨーロッパ41%、北米30%、アジア太平洋29%の比率で調査されています。
重要視される被論文引用数
「教員一人あたりの被論文引用件数」についてはエルゼビア社の書誌・引用文献データベース 「スコーパス」が元データとなっていることも明らかにされました。スコーパスはウェッブ上で研究者達が、他の研究者の論文等を検索することが可能で、引用される側の研究者も自身の論文が世界中でどれだけ活用されているかが分かります。この論文への被引用件数も具体的な数値として大学評価の対象になります。>>「THE-QS世界大学ランキング」では論文への被引用件数がポイントのひとつ>>