何より大切なのは、コミュニケーション能力
重要なのはホスピタリティの精神です |
「お客様に対してはもちろんですが、いい仕事(サービス)をするには、社内のコミュニケーションがとれていないとできません。私のホテルでは、人種も違えば、常識も違うスタッフが一緒に働いていますから、なおさら重要ですね。それから、お客様が何を求めているのか、すばやく察知して対応できる能力も必要です。どうすればお客様に喜んでもらえるのか、常に考え、気が付く人でないと難しいですね」
海外のホテルで働きたい場合、当然語学力は必要だが、それだけでは通用しない。プラスアルファのスキルも重要なポイントなのですね。
「アルバイトでも、ウェイター、ウェイトレスの仕事しかしていないと、海外ではその仕事しかできません。日本は、就職してから配属が決まりますが、海外は契約社会。何ができるのか、アピールできないと仕事に就けないんです。転職する場合でもホテルで働く裏付けが必要ですね。例えば、旅行会社や、マーケティングセールスの経験が生かせるとか、コンピュータが扱えるといったスキルが重要になってきます。でないと、海外のホテルマンには勝てませんからね」
サービスマンとして、こうあるべき!
「ホテルは第一印象がすべて」と言う石川さん。第一印象が悪ければ、短い滞在でそれを取り戻すのは大変なこと。ホテルマンは第一印象をいかに高めていくかが大切なのだそうです。これは、ホテルマンに限らず、旅行業でも同じことがいえます。初めて訪問する国に旅行に来たお客様は、ドキドキしながら飛行機やバスに乗っている訳ですよね。空港や送迎バスから降りて、一番最初にお会いするのがスタッフです。その人の第一印象がよければ、当然「ホッ」とするし安心感があります。
「作り笑いでも、笑わないよりは笑ったほうがいいし、恥ずかしいようなお世辞でも言ったほうがいい。言われたほうはうれしく感じるものです」そして、お客様に喜んでもらえることを常に考えること。身体を使う仕事がしたいと言ってホテルに就職する人がよくいますが、そういう人は長く続かないですね。旅行のサービス業に就く人間は常に人の気持ちを考えなくてはいけない職業なんです」
例えば、今日のBGMは昨日と同じボリュームかどうか。あらゆることに気を配り、意識して毎日を過ごさなくてはお客様を満足させることはできないのです!
狙い目の海外就職先は、年間2~5万人の日本人が訪れる国
海外で旅行関連の仕事に就きたいと思ても、いったいどの国に行けば仕事があるのでしょうか。そこで目安になるのが、日本人観光客の人気の渡航先です。
しかし、多くの日本人が訪れる国は、もうすでに日本人スタッフもいて、十分に機能しているので求人はそう多くないのも事実です。例えば、人気の高いオーストラリアでは、現地での就職の競争が激しいうえに、ワーキングホリデービザで働いている人や、オージーと結婚している日本人も多く、割り込むのは難しいのが現実です。
リゾート地の中でも、2~5万人程度の日本人観光客が訪れている場所が狙い目! |
そこで、「年間2~5万人の日本人が訪れる国が狙い目ですね。特に、リゾート系の国は職が山ほどあります。例えば、フランスで就職するのはたいへんですが、フランス領土のタヒチやニューカレドニアは年中ホテルマンを募集しています。フランス語や英語ができて、さらにスキルがあればかなり有利。フィジーやモルジブも狙い目ですね」。
また、アジアでは、英語も日本語も話せる人が多いので、求人の数は思ったほど多くないそうです。しかし、同じアジアでも高級リゾートなら可能性はあるといいます。
次のページではやはりファーストステップは留学やワーホリ