●非英語圏、ワーホリ実施国の人気が上昇 |
法務省入国管理局の統計によると、「留学・研修・技術習得」を目的として出国した日本人の数は、2000年には1992年の約1.5倍にあたる19万人余りに達しました。 渡航先は、10年前に全体の約6割を占めていたアメリカが、現在もトップを維持していますが、比率は徐々に下がってきており、また、上位10ヵ国のうち、英語圏以外が5ヵ国を占めるようになりました。もうひとつ注目されるのは、ワーキングホリデーを実施している7ヵ国すべてが、上位10ヵ国に顔を出していることです。
●海外を目指す日本人は今後も増える!? |
ここ数年の海外旅行者数が伸び悩んでいるのは冒頭でも触れた通りですが、各国の留学業界関係者の話を聞くと、日本経済の先行き不安感や景気の低迷は必ずしも留学生数のマイナス要因にはなっていないようです。日本の将来への不透明感は、逆説的ながら、「どうせなら海外で好きなことを!」と考える人が増える結果にもつながっているのでしょう。その一方で、昨年のイラク戦争やSARS騒動は、留学予備軍にも暗い影を落としましたが、全面的に計画を撤回した人はまれ。行き先を変更したり、渡航時期をずらしたりといった現実的な対応策を取って周囲の理解を得た上で、夢を実現するために旅立った人が多かったようです。
出帰国記録カード(EDカード)が廃止されたため、日本人の渡航先及び渡航目的の統計は、2000年のものが最後になりましたが、「海外で学ぶ」ために出国する人がさらに増えていくことは間違いないでしょう。日本人の留学スタイルは、今後さらに多様化が進んでいくことになりそうです。
(参考資料) 外務省 海外在留邦人数調査統計 法務省 出入国管理統計 |
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