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「ロイドさんが選んだ2人の先生の教室に見学に行ったところ、どちらもぴーんと感じるものがあったので、結局は両方のレッスンを受けることにしたんです。1人はアート・カルチャー・センターのプログラムのひとつとしてフラを担当されている女の先生。もう1人は男性のクム(家元にあたるフラのマスター)で、すでに引退されているのですが、語学学校の授業の一環としてハワイの伝統文化を含むプログラムの中で、フラを教えていらっしゃいました。生徒はフラを習うことを目的にその学校に通っているわけではないのですが、そのクムの人柄と教えるフラがあまりにも素晴らしかったので、ここでフラを学びたいとお願いして、特別にその語学学校でフラのクラスだけを受けさせてもらいました」
英語は高校で学んだっきり。海外旅行は、ハワイのオアフ島とカウアイ島に短期旅行したことがあるだけで、会話力はほとんどなかった。出発前の数ヵ月間は、知人から週1回英会話を習い、初めての海外生活に備えたが、それでも現地では苦労した。
「行って間もなく車を買ったときの保険の手続きなんかは 本当に大変だったんですが、周りの人がかなり助けてくれました。日本では知らない内に上手く話そうとか、よく見られたいとか思ってしまいがちでしたが、マウイでは英語で余裕がない分、本当の自分の気持ちをストレートに伝えるしかなくて、かえってとても楽でしたね。最初は会話が理解できず、お猿さんのように、みんなの顔をくるくると見回していただけ。ようやく聞き取れるようになってきた!と実感したときは、もう帰国間近な時期でした。今は、聞き取りができるようになった程度です」
「マウイ島は、アートの島と言われているだけあって、知り合ったのはアートに携わっている方がほとんどだったんです。日本でバレエを教えるアシスタントをしていると答えると、みんなとても評価してくれて、改めて、素敵な仕事をやらせていただいているんだなということが自覚できました」