見知らぬ土地で、孤軍奮闘することも大いにありえる海外生活では、たとえ遠く離れた日本でも応援してくれる人の存在は心強いもの。家族や職場など周りの人の反対を押し切って行くこともできるが、どうせならしっかりと自分の気持ちを説明して、サポートしてもらった方がいい。周囲の理解が得られないために、留学を諦める人も少なくはないが、山本さんの場合は、「誰かを説得する」というステップは不要だった。
「夕焼けを見るのが好き!」 という現地のこどもたち |
たまたま知り合った人に、ハワイでフラを学ぶ夢を語ったことがきっかけとなり、アートに理解のあるマウイ島在住の友人を紹介してもらえたことも、ラッキーだった。
「お能を大変熱心に勉強されているロイドさんという方が来日されたときに、引き合わせていただいたんです。若いときにお能を学びたい一心でお金もないままに日本に来て、いろいろと周りの方に助けてもらったおかげで、日本で学ぶことができたそうで、同じような思いをもつ人を助けることによって、恩返しがしたいと思っていたという人なんです」
山本さんのお部屋とシャワールーム |
「部屋にあるのは、ベッドと机、棚、それから扇風機。生活に必要なものがちゃんと存在するという感じです。家には、テレビも何もなかったけれど、そんなものは必要なかったですね。夕食を持ち寄って一緒に食べた後は、星を見たり、2人からネイティヴ・アメリカンの歌を教えてもらって歌ったりしながら過ごしました。そういう生活を送るうちに、日本にはモノがありすぎて、何が大切なのかが見えなくなっていたことに気が付きました」
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