果樹園だったオランジュリー美術館

睡蓮の間への入口
睡蓮の間への入口(c)Jean-Christophe Ballot
元来19世紀のナポレオン時代にオレンジの果樹園として使われていたことから「オランジュリー」と名付けられたこの美術館は、1930年代にモネの睡蓮を展示するための会場となったのが始まりでした。

モネは自身の集大成ともいえるこの睡蓮という作品に非常に強いこだわりを持ち、展示する場所から展示方法までを自ら指定することに執着したそうです。作品内容から、展示する美術館は自然に囲まれた環境でなければいけないとし、光も自然光を使うこととしました。その結果、セーヌ川という「水」がすぐ近くにあり、チュイルリー庭園の中にあるオランジュリーに白羽の矢が立ったのです。

 

美術収集家ポール・ギヨームのコレクションが加わる

地下
ルノワールとセザンヌの作品が並ぶ地下の廊下(c)Jean-Christophe Ballot
1970年代に、美術商であり収集家でもあったポール・ギヨームのコレクションを受け継いだ夫人から、作品が新たに寄与され現在のオランジュリーのコレクションの完成形となりました。こちらは主に30年代の著名な画家の絵画が中心で、その内容はルノワール、セザンヌ、ピカソ、マチス、モディリアニ、ユトリロ、ルソー……と匆々たる顔ぶれ。特にモディリアニ、ドラン、ヴァン・ドンゲンという3人の作家によるギヨーム氏の肖像画は、それぞれの作風による違いを見比べてみると面白いかもしれません。

次のページでは、遂に睡蓮のために美術館が立ち上がった!自然光へのこだわりによる6年間の工事の後のオランジュリーをレポートします!