ブルー地に黄色の百合の紋章はブルボン家のもの。戴冠式の地ランスではおなじみのエンブレム。
フェスティバルに目を戻すと、飾り付けのなかにやたら多用される文様に気がつくはずです。明るいブルー地に三枚の花びら。これはフランス王家、ブルボン家の紋章なんです。この黄金にかがやく花弁は百合の花を表しています。ジャンヌ・ダルクの肖像を見るとかならず馬に乗り、右手には旗を携えているはずです。この旗にもやはりブルボン家の紋章、三枚の百合の花が描かれています。

約500年前、百年戦争で荒廃したフランスはシャルル6世の後、王位が空のままでした。北部はすっかりイギリス軍に占領され、まさにイギリスの手によって王位を奪われようとしていました。そんな中、1428年、神の啓示を受けた羊飼いの娘ジャンヌ・ダルクは皇太子シャルルからゆだねられたわずかな兵を率いてオルレアンを皮切りに、イギリス軍に連戦連勝、ついに、翌29年にはランスへ入城してしまったんです。ここで皇太子はシャルル7世として戴冠式を執り行い、名実共にフランスの王となったんだそうです。

笑いあり歴史ありの時代パレード


中世からの伝統的な笛の音をバックにパフォーマンス集団が先頭を切ってやってきた。
ちょうどシャンパンを飲み終えた頃、見物の人垣の向こうからなにやら怪しげな笛の音がぴーひゃら聞こえてきました。低いだみ声がぼそぼそと聞こえ、続いて大きな笑い声が響きわたります。いよいよ時代パレードが大聖堂に近づいてきたようです。

美しい女性の旗振りを先頭に、たいまつをジャグリングしながら口から火を噴くパフォーマンス。笛に続くのは2台の大八車です。

美女達の振り回すワインレッドの旗が、あざやかにパレードの到来を告げる。
両側につめかけた観衆のすぐ脇を静々と進む女性は太くて長いマフラーを巻いています。寒くもないのに変だなと見ていると、その女性達が観衆に近づくと、皆驚いたように後ずさりしてるじゃないですか。

しかもそのマフラー、なにやら先っぽの方がごにょごにょと動いているようです。表面はやけにてらてらしていて、手前の女性のものは乳白色、向こう側ははでな黒地に黄色の趣味の悪い柄が見て取れます。

しずしずと歩く女性の襟巻きは、あれれ、なにやらごにょごにょと動いている。しかも色艶がみょうにてらてらして、と思ったらこれが大蛇。
後ずさりが徐々にこちらに近づいてきたかと思うと、うわっ、マフラーの先から赤いものがちらちらっと見え隠れ。なんと大蛇を首のまわりに巻いてるじゃありませんか。中央を進む大八車には豹か何かの動物が乗せられています。旭山動物園の動物ショー中世版といったところでしょうか。