さらに黄色で示される南斜面や北斜面の周辺畑はオート・コート(地域)。ボーヌ周辺だと、ボーヌの北側がオート・コート・ド・ニュイ、南側がオート・コート・ド・ボーヌと名乗っています。
そして東部の平地にある紫の部分が最も格下のレジオナル(地方)畑です。つまり、同じブルゴーニュでも5段階もの格付けがあり、畑の名までラベルに印刷してあれば高級品。村の名前が入っていればそこそこ。地方名だけならまあまあといったところなんでしょうか。
ちなみに、ここまではAOCと呼ばれる政府の法律に基づいた保証品で、その下にはまだ格付け外の、いわゆる地酒のヴァン・ド・ペイ、安い外国で生産したものもブレンド出来るテーブルワインのヴァン・ド・タブルがあります。フランスのワインって複雑ですね。
■どっちにする、ニュイ?ボーヌ?
ボーヌに来れば何から何までワイン一色。ちょっと町外れまで散歩すれば目の前はワイン畑。有名なシャトウも自転車でほんのひとっ走りの距離にあります。ところがこのワイン街道、文字通り道に沿って南北に長いこと。しかもボーヌはそのちょうど中間地点。両方欲張るとあわただしいだけでゆっくり試飲もできません。
そもそも地図を見ても分かるようにボーヌを中心に地域自体が分かれています。同じような所をあちこち表面だけ回るよりもここは地域を決めてじっくり深く味わいたいもんです。
名前を聞けば誰でも知っている、でもほとんどの人が味わったことのない、あの有名なロマネ・コンティのあるロマネ村はじめナポレオンの愛したシャンベルタンで有名なジブリ・シャンベルタン村などのグランクリュ畑があるのが、ボーヌの北からディジョンにいたるコート・ド・ニュイ地域。重厚なコクのあるワインはプルミエールクリュといえどもあなどりがたい逸品ぞろい。
一方、コート・ド・ボーヌ地域はもう少し繊細で果実臭豊かなきめ細やかさが売り。この地域唯一のグランクリュを持つコルトンやタンニンのしっかりした力強さはポマール。サヴィニーなどもねらい目です。又、モンラッシェは特に白ワインがすばらしいことで有名です。ボーヌからN74を南に下がれば延々右手の丘沿いにブドウ畑が広がっています。