フランス/フランスの観光・世界遺産

丘を登り詰めれば、目の前に広がる赤い壁 ルシヨンの赤い崖(2ページ目)

赤い丘、赤い崖、民家の壁も屋根もすべて赤。ここはあらゆるものがオークルの赤に彩られた顔料の村。夕暮れ時、修道院の庭にたたずめば、夕陽に照らされた美しい壁面が影の縁取りでいっそう際立ちます。

執筆者:赤木 滋生

オークル鉱山
通りの反対側に広がる鉱山跡は長年の風雨にさらされ削られた岩肌が層になり、荒々しい姿を見せています。所々に採掘跡の洞穴が残っています。場所によって少し色調が違い、黄色味が強かったり赤身が強かったりでさまざまな絵の具が作れそうです。

酸化鉄が主体の成分は本来赤茶色ですが、天然物ですからさまざまな成分が微妙な色彩を作り上げてるんですね。何百万年も前から風雨に晒されているだけに耐久性は完璧だそうです。しかも油彩でも水彩でも何でもOK。フレスコ画にも使える万能絵の具なので、しっくいと混ぜて壁に塗ればいつまでも色褪せしない強力な壁材にもなったみたいです。


聖ミシェル教会からの眺め
豪快な赤い壁も良いのですが、むしろ趣のある統一された赤い壁の街並みがお気に入り、複雑な迷路のような路地をぬって坂の上まで歩いてゆけば聖ミシェル教会がすてきなたたずまいを見せています。北側に回れば庭からはるかリュベロンの谷が見渡せます。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます