部屋は狭くても、その場所を選ぶのか、やはり妥協してそのちょっと先の駅にするのか。自分は何を最優先させるのかを決めておきましょう。道を一本へだてただけで、町名が変わって、家賃にも差が出てくることがあります。
利用する駅は同じでも住所が違うだけで、イメージが違うことがあるのです。場所によっては駅の西口と東口、あるいは南口と北口で、市や区も違ったりすることもあります。それでも、住所にこだわるか、名を捨てて実を取るか。住所やイメージというのはずっとついてまわるものだからです。
路線や駅やその地域の評判について、友人知人関係やいろいろな人からイメージについて聞いておくといいでしょう。「あの路線は痴漢が多いっていうよ」「あの駅の○口のほうはいいけど、反対側はダメ」とか、「あの町の○丁目までは雰囲気がいいけど、△丁目はガラが悪い」「あのあたりは近くに○×があるからあまり環境はよくないんだよね」など、情報誌からは知ることのできない情報を得ることができるとベターでしょう。
逆に「どこだっていいよ。安ければ」「この路線ならどこの駅だってかまわない」「どうせ、寝に帰るだけなんだし」と、こだわらないタイプであれば、部屋選びはラクで時間もかからないでしょう。
とはいえ、急行が止まる駅と各駅停車しか止まらない駅とでは違いますし、同じ路線でも、学校や会社などの目的地まで「上り」か「下り」で条件が違ってきます。混雑の度合いがまったく違い、第1回でも書いたように「痴漢」の被害に遭う確率が違ってくるのです。
「痴漢」被害を避けるために長時間の乗車を避けて、逆の方面(たいていは都心部になりますが)に住まいを求める人もいます。家賃はたしかに高いのですが、会社に通うために乗る電車は空いており距離も短い、仕事で遅くなってもタクシー代もいくらもかからない、フットワークがよいので仕事の効率もアップ、と一度便利な所に住んでしまうとやめられないくらいで、家賃がたとえ2~3万円高くてもお金に替えられないプラス面が多いといいます。
そう考えると、住宅の情報誌などでも初めから見もしなかった路線や地域の物件なども見てみようという気になるのではないでしょうか。考えてもみなかった都心の物件というのも、便利だし、イメージはいいし、ちょっと自慢できるかもしれません。
「住めば都」といって、どんなに辺鄙(へんぴ)で不便な場所でも、そこに住んでみると愛着がわいてきて、都のように住みよくなるものだということですが、「住まば都」というのは、どうせ住むならば都の方がいいということです。
できればその土地の歴史や名前の由来なども知っておくこともおすすめです。深く考えずに簡単に決めちゃったけど、どうも気持ちがなじまない、どうも街の雰囲気が好きになれない…などと思っていて、あとで「あの街はかつてこういうことがあった」「昔は××があった場所だよ」「以前、こんな事件があった場所」など、気にしない人は気にならないけれど、知っていれば避けたい場所というのもあるものです。
歴史に詳しいとか、事件や事故などの情報に敏感な人なら初めから絶対に選ばない場所というものもあるはずです。素敵で住みたい街として人気がある地域があるように、イメージや感覚的に住みたくない街というのもあるものなのです。とはいえ、やはりその場に行ってみて、自分で街の雰囲気を感じてみてから決めたいものです。
非科学的なことを言うようですが、勘の鋭い人や霊感の強い人で、物件を見に行ってイヤな気持ちがした、どうも好きになれない、など気持ちが進まないでいたところ、実はあのあたりは……といった思わぬ事情があったりするものです。自分の直感には忠実に、少しでも不安があったらやめておく方が無難でしょう。
駅近くの交番や地元で古くからのお店などで、地域の情報を得ることもぜひやっていただきたいことです。「治安状況は」「空き巣やチカンなどの発生状況は」「今までに大きな事件は」など、できれば年輩の方にたずねることができるといいでしょう。
通りに「チカンに注意!」「ひったくり多し!」「空き巣被害が多発しています」などの立て看板があれば、やはり被害が多いという事実があるので、こうした情報も見逃さないようにしましょう。