「テクスチャー」とは何でしょう? texture とは、「織り方, 生地(きじ); (皮膚・木材などの)きめ; 特質; 組織, 構造」(三省堂提供「EXCEED 英和辞典」より)という意味で使われるものですが、寝具を選ぶ際には「肌触り」として考えたいと思います。シーツの肌触り、ピロケースの肌触り、上掛けの肌触り。そしてその「生地の材質」として、です。
色・柄にはこだわりがあっても、ことその「材質」には無頓着なままで(というかパッケージされているものはなかなか中身を確認できなかったりして!)シーツなど購入してしまうケースも結構多いのではないかと思います。でもそれはとっても惜しいこと。洋服や下着なら何度も試着して買うのは当たり前なのに、一晩中×数百日も肌に触れ続ける寝具にそのような姿勢を敷衍(ふえん)しないテはありません。色の大切さもさることながら、夏の寝具にとってそのテクスチャーは100のうち70は占めようかという重要事項なのです。
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夏の寝室に、一番すすめたいテクスチャーは、「リネン」(タオルやシーツ類を総称してリネンと呼びますが、この場合の「リネン」は亜麻を指します)。
日本では亜麻(あま;Flax Linen)も黄麻(こうま;Jute)も大麻(たいま!;Hemp)もいっしょくたに麻、と呼んでしまっている弊害で、「麻」といってしまうと少し硬かったり、毛羽立つようなイメージを持ちがちですが、「リネン」はやわらかく肌にやさしいテクスチャーをもったものです。また、水分を吸収するのに長け、それをすみやかに放散させる(乾きやすい)という特徴があります。夏の寝具にうってつけなのです。
ただ若干、リネンは値段が張り(おおよそシングルサイズのシーツ1枚で10,000円~20,000円程度)、「手が届かないわ」と思われがち…かも知れません。
フルにベッド周りを調えて、ブランドバッグくらい…? という金額を、どうとるか?
個人的な問題ですが、寝室という他人に見せるためにあるわけではない部屋の、自分のためだけの寝具に、「一番気持ちいい」モノをあつらえるのは、一番の贅沢なのかも…!
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とはいえ、リネン以外にも、肌に直に触れる面積の少ないワッフル地(四角くでこぼこ織り)や、上質なパイル地(タオル状)のシーツや上掛けなど、快い夏の夜を過ごすために取り入れたいテクスチャーは、色々あります。ぜひ購入する際にはじっさい「触って」みて、お気に入りの“テクスチャー”を大事に、じっくり選んでみてください。
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ところで藤原自身のお気に入りカラー&テクスチャーは…
・シーツ→オフホワイトのパイル地
・上掛け→グレイがかったブルーの、綿のメリヤス地(下着っぽい生地!)
くたっとした感じが何ともいえず好きなのです。
(あれ?! リネンじゃないの?!)
なにはともあれ、皆さんのこの夏の睡眠が、穏やかで安らかなものになりますように!
増補 色の秘密 最新色彩学入門 野村順一 ネスコ発行/文藝春秋発売 1994年
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