「ギョギョッ!」
その朝、窓から見た風景は一面の銀世界なのでした…
雪です。しんしんと、降り積もっていきます。
フニワラ(妻)は一瞬だけその風景にみとれましたけれど、次の瞬間には現実に戻って愕然としたのでした。
どうしよう、洗濯物……!!!
そう、こんな天気でも、フニワラさんちには山のような洗濯物があるのです。
先日、フニワラさんちに新しい家族がやってきました。フニワラ(子)ちゃんです。フニ(子)ちゃんはなにせ新生児なので天気など無関係に洋服やおむつを吐いたおちちやうんちで汚しまくってくれます。おとななら天気が悪い日は洗濯物をセーブすることもできますが、新生児にそんな調整はつきません。
「昨夜はたくさん汚されちゃったからなぁ…フニ(子)の着替え、もうなくなっちゃう!」
フニワラ(妻)はいささか暗い気持ちになりました。「こんなことなら、乾燥機つきの全自動洗濯機、買えば良かったなぁ」
フニワラさんちの洗濯機は、ただの全自動。友達のうちにあるドラム式の洗濯機なら、こんな日も憂いはないでしょう。と、うらめしい気持ちになりかけたとき、フニワラ(夫)が出勤準備をしながら言いました。
「でも、そういえばウチのお風呂場には、“浴室暖房乾燥機”、ついてたじゃん! 使ったことなかったけど…」
■浴室乾燥機の威力とは?
さっそく、お風呂場に備え付けてある「物干し竿」をセットし、ふだんベランダで使っている物干しピンチをぶらさげて脱水した洗濯物をひょいひょい干していきます。脱衣所の洗濯機から隣のお風呂場へ。だから作業の手間もなく、とってもらくちんです。
あかちゃんの洗濯物、バスタオル、おとなの下着類などなど4キロほどの洗濯物をぜんぶ干しきることができました。さてこれが、どれくらいの時間でぜんぶ乾燥できるのでしょう? めちゃくちゃお金がかかるとしたら、でも、イヤだなぁと思うやや渋チンのフニワラ(妻)。でも背に腹は替えられません。
それではスイッチオン! 巨大なドライヤー的な音が浴室に響き渡ります。でも、そんなにうるさいっていうほどではありません。リビングでTVのニュースでもかければ、ぜんぜん聞こえないくらい。
とりあえず2時間にタイマーをセットしました。その間、外は相変わらず降り積もる雪! こまごまとした家事をしながら、2時間はあっという間に過ぎていきます。
うっかり者のフニワラ(妻)は、3時間目に浴室を確認しました。タイマーが切れて1時間経つのに、浴室内はほっこり暖かです! 余熱が感じられます。そして洗濯物の多くは、夢のようにカラリと乾いていました! じゃっかん湿り気があるのは、フニワラ(夫)のトレーナーのすそくらいです。外は寒い寒い雪。ベランダに干していたらまだ、乾くどころか凍ってしまいそうなのに、もうすっかり乾いてあたたかな洗濯物についにっこりしてしまうフニワラ(妻)でした。これでまた汚されても、フニ(子)ちゃんに綺麗な産着を着せてあげることができます。ああ、うれしいなぁ。