■「西向き」物件のメリット・デメリット
<メリット>
・「南向き」よりも価格が安い(ことが多い)
これが一番わかりやすいメリットですが、ではどれくらい「安い」のかというとそのエリア、建物全体のなかでのバランス等々で割合は変わってくるもの、一概には言えません。
ただ、同程度の価格帯・同程度の面積の「南向き」物件が同じ建物内で分譲されている場合、「西向き」物件のほうがより凝った間取りであったり、間口が広かったり、バルコニーの奥行きがあったり、全体的にちょっと広かったりといったような「おいしさ」を兼ねそろえているケースが多いです。逆に「ん?」と思わず食指を伸ばしたくなるような戦略に欠けた物件では、大幅に売れ残ってしまうという危険性があるのです。
・冬季の暖房費節約可!
午後の日照時間が長いことが「西向き」物件の最大の特長でしょう。高層階では日没までしっかりと日が差します(晴れた日の落日は溜め息が出てしまうほど綺麗なもの!)。
冬季は太陽高度が低いせいもあり、バルコニー(庇部分)の奥行きがあってもなお、家のなか深くまで日が差して来ることも(「南向き」ではあまり家の中まで日が差すことがありません)。よってかなり暖かく、また日没後の冷え込みが緩いというメリットも。うまくいけば暖房要らずかも?!
・ふとんを干す、洗濯物を干すなら…
ダニアレルギー対策としてたいへん有効なふとんの天日干し。少しでも長く直射日光に当てたいのなら、「南向き」よりも「西向き」のほうが長時間日光に当てることができます。また、洗濯物も長い時間日に当てることができますし、洗濯の時間がちょっと遅くなってから干しても、乾きやすいのです。
<デメリット>
・暑い
やはり夏場の午後の暑さは、ある程度覚悟しなければならないでしょう。朝~昼までの時間で気温が上がりきったところに、ほぼ昼からの日照が日没まで続きます。
バルコニーに面したキッチンなどの場合、特に食品の衛生には注意を。
家具の日焼けなどを懸念する場合には、窓ガラスへのシールドを。また外観上や安全上の問題がなければ、窓や壁に「すだれ」や「よしず」などをかけるのも暑さ対策として有効でしょう。
エアコンを使用する際には、遮光・偏光カーテンなどを併用することで省エネの効果があります。
・朝の暗さ
「やっぱり朝は朝日を浴びたい!」という欲求のある人もいらっしゃるかと思います。が、「西向き」ということは、当然朝日には縁がなくなってしまうということです(その代わり夕日を堪能することはできるのですが…)。朝から電灯が必要になります。
ただ、一般的に「南向き」の物件で日が当たらないとされる「北の部屋」にあたる部屋が「東の部屋」になるわけですので、そちらの部屋の窓には朝日が当たることになるかもしれません。「北の部屋」よりは数段寝室に向くのでは?
○次ページでは「東向き」物件のメリット・デメリットを考察!