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品川で味わう、シンガポール3大レストラン(2ページ目)

ホテルパシフィック東京の前庭にオープンした、シンガポールレストラン「シンガポール・シーフード・リパブリック」。現地で数々のアワードを受賞した人気レストラン3店の共同プロジェクトをご紹介します。

村上 実

執筆者:村上 実

ホテルガイド

予約の仕方で決まる、新しいレストランのウォッチ法

これぞ、シンガポール!なマーライオンがお出迎え
レストランのウォッチングは楽しい。ガイドは、新しいレストランがオープンすると可能な限り足を運ぶ。東京に住んでいるなら、やはりメガロポリス特有のライフスタイルがあって、これを楽しまない手はない。週末になれば、都内の何処かで必ず作品展を開催しているし、音楽シーンも実に多彩。当然ながら、こうしたメリハリのあるライフスタイルの主役となるのがレストラン。

そこで、新しいレストランのウォッチ法についてガイドならではのアドヴァイスを。予約を入れる場合は、まず目的から。デートでもファミリーの利用でも、より具体的な訪問の目的をレストラン側に伝えることで、レストランとのコミュニケーションはグンと良くなる。これは常連客になる秘訣でもあるようだ。

ホワイトペッパーとバターの香りをいかした、ソルトペッパークラブ。500~590gのSサイズで4200円
例えばこんなケースを……。
「明日、結婚記念日なんです。で、是非あなたのレストランでディナーを楽しみたい。実は新婚旅行がシンガポールだったんです。想い出がいっぱいあるんです。現地で食べたマッドクラブの濃厚な味が特に印象深くて、日本に帰ってからもいろいろと探したんですけど、あれだけのインパクトのある料理はなかなかありません。で、今回ニュースでこのレストランのオープンを知ったんです。嬉しかった。で、是非ワイフとの記念日はここで!そう決めたんです」

こういうインフォメーションを受ければ、レストラン側の対応にも一段と力が入るというもの。新しいレストランにはある種の“不安”がつきまとうもの。どんなに周到な準備を重ねても、いかんせん料理もサービスも未知数なわけだから。ということは、早くに自分達のレストランとしての価値が明確化することを望んでいるというわけ。これは経営者も現場の料理人やサービス関係者にも共通する思い。

そういう心理状況が、新しいレストランには必ずあるということ。そういう状況、心理状態のところへ、件のような予約が入ることは実にうれしいことで、「よ~し、このゲストには完璧なもてなしを!」ということになる。これでレストラン側、ゲスト側双方がハッピーになれる。

新しいレストランは、それを利用するゲスト側の期待値も大きいはず。だけど、これは人間に例えると赤ちゃんと同じ状態だと理解すべき。最初は、双方ともぎこちなく、段々と時間の経過と共に慣れてくる。「こんな場合は、こんな対応で」というリズムが生まれてくる。これがホテルの新規開業ともなれば、もっと大きな乖離が生じている。この数年、都内にオープンした外資系高級ホテルのオープン間もない頃の評判がどこも芳しくない。

「海外で、同じチェーンに利用したときは、もっと素晴らしいサービスだったのに、今回は最低。こんなはずじゃなかった。料理やサービスも想像以下で、がっかり。良いのは客室やロビーだけで、結局ブランドホテルなんて名前だけ……」なんという話が伝わってくると、哀しい気持ちになってしまう。

もっとね、優しく眼でホテルの成長を見守ってくださいね、と強く思う。初めて行くレストランとかホテルは、それを利用するゲスト側にも大きな寛容の精神が求められるというお話でした。 

<DATA>
シンガポール・シーフード・リパブリック
  • 所在地:東京都港区高輪3-13-3

  • TEL:03-5449-8080

  • アクセス:京浜急行、JR品川駅より徒歩3分

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