今やハード面でホテルを選ぶのは難しくなっています。ベッドや薄型テレビ、洗い場付きのバスルームや高速インターネット回線など、どのホテルも進化し続けているので不便さを感じることはほとんどなくなりました。
そういうこともあってか、少しずつですが「今日は目的を持った宿泊だからコンシェルジュのいるホテルに泊まる」というお客さんが増えています。でもコンシェルジュと言われても、まだまだ日本ではなじみの薄い存在。
そこで今回はインターコンチネンタルホテルを代表する3人のコンシェルジュの方々に、そのお仕事の内容などをお伺いしました。
コンシェルジュとはお客様の友人であり、パートナーである
ガイド:
まだまだ日本にはなじみのないコンシュルジュですが、どのような仕事なのでしょうか。
30年以上もコンシェルジュを務めるロバート・ワトソンさん。現在はチーフコンシェルジュを務め、訪れるお客様にやわらかい物腰で、合衆国首都の綿密な情報を提供しています。 |
お客様の持っているニーズに答えるのがコンシェルジュの仕事です。お食事の希望やツアーの案内、奥様へのプレゼントへのアドバイス、会議の場所など、法的、道義的に問題がなければなんでも相談に乗ります。
インターコンチネンタル ロンドン パークレーンでチーフコンシェルジュを務めるコラド・ボグニさん。コンシェルジュとして25年以上の経験を持っています。 |
コンシェルジュはお客様の思い出を作るお手伝いをする友人であり、パートナーと思っていただけると嬉しいですね。
ガイド:
友人ですか! でも友人と言われても、日本人はそういうコミュニケーションを取るのが苦手な方が多いですよね? そのような人は、まずどのように声をかければよいのでしょうか。
2004年にチーフコンシェルジュに就任、現在はシニアマネージャーを務めている桃井忍さん。国際的な視点を持ちながら、新しい形のインターコンチネンタルコンシェルジュとして活躍しています。 |
外国の方は、用事がなくても「今チェックインして何日までいるから、よろしくね!」とお声をかけてくださいます。これがきっかけになって「いまから食事に行くのだけど、どこかいいところはない?」といったリクエストに発展することが多いです。それこそ「コンシェルジュって何ですか?」といったことでも構いませんので、まずは気軽に声をかけていただければと思います。
コラドさん:
確かに、たとえば日本のお客様とヨーロッパのお客様とでは、文化の違いなどがあり、声をかけるということも難しいかもしれません。ただコンシュルジュはお客様のお手伝いをするのが仕事ですから、利用するに当たって何も心配することはありません。本当に友人に声をかけるような感じでお声をかけていただけるとよいと思います。
桃井さん:
直接お声をかけづらいという場合は、インターコンチネンタルホテルの客室の電話には「コンシュルジュ」というボタンがありますので、それを使っていただくのもよいですね。もちろん我々もお声をかけていただくのを待つだけではなく、お客様がどのようなことを望まれているのかつかむ方法を常に考えています。
次のページでは、一流のコンシェルジュの称号である「ゴールドキー」についてお伺いします。