被写体が暗く写ってしまったときには……
画像が空が大きく写りこんでいる場合、メインで撮影したい被写体が潰れてしまうことがよくある。逆光でなくとも、これはよくあることだ。
そんなときには露出補正(用語解説)を施してもいいのだが、露出補正で変更できるのは2.0EV(2段)ていど。
これ以上明るかったり暗かったりした場合には、補正しきれない。
こんなときには測光方式を変えてみると、うまく撮影できることが多い。
まず、下の画像を見ていただこう。
▲空を背景にしたために薔薇が暗く写ってしまっている。 |
これは分割測光で撮影されたもの。ほとんどのデジタルカメラが初期状態では分割測光となっている。
分割測光とは画面全体を細かく分割して、それぞれの分割点で光量を測定し、その平均をとって露出を決める方式のこと。
マルチ測光とも呼ばれることがある。
普段は分割測光で問題なく撮影できるはずだ。
しかし、このように空が大きく含まれている場合、全体の光量が多いと計算されてしまい、できるだけ画面全体を暗くしようとするのである。そして、その計算に肝心の被写体まで巻き込まれ、このように暗くなってしまうというわけだ。
ちなみに被写体だけが明るく周囲が暗いというような場合は、被写体はより明るく写されてしまう。
このような場面では分割測光はうまく働いてくれない。
他の測光方式に変える必要がある。多くのデジタルカメラでは、分割測光の他にふたつの測光方法を搭載している。
それらの測光方法をテストしてみよう。
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