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FinePix F50fdレビュー

ついにFinePix FシリーズがCCDシフト式の手ぶれ補正機構を導入した。そして高感度はISO6400に対応し、解像度は他社と同クラス1200万画素に。ぱっと見ではすべてを手に入れたように思えるのだが……?

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

新たなFinePixとなるか、FinePix F50fd

FinePix F50fdはこれまで600万画素であったスーパーハニカムCCDを新たに1200万画素に高画素化し、同時にCCDシフト式の手ぶれ補正機構を搭載したものだ。

富士フイルム
FinePix F50fd
市価 44,800円
07年08月31日発売
FinePix F50fdの前機種となるFinePix F30のレビュー記事は、去年のAllAboutにおけるパソコン・IT関連のガイド記事でもっとも多くのページビューを得た記事であった。

FinePix F30は個人的にお気に入りデジカメのひとつ。

インターネットで調べものをするようなユーザーにとって、かなり注目された機種であったということになるだろう。
ISO800が常用可能なレベル、ISO1600ですら破綻が少ないという他社を大きく引き離す高感度性能を誇っていた。
しかし、FinePix F30、そして顔認識機能を搭載したFinePix F31fdはかなり売れ残ったようであった。
Amazon.co.jpでかなり大きな割引(FinePix F30に至っては17500円で販売)がされて、つい最近まで販売されていたほどだ。

これは高感度というものが画質を気にしなければどこまででも上げられるというものであるため、他社との差別化がしにくかったことが原因ではないかと思われる。
その一方で他社の同クラスコンパクトスタイルのデジタルカメラが1000万画素に及ぼうかという状況があり、この点において600万画素というFinePix F30はインパクト不足のものとなっていた。

画質を保持したままの高感度が競争力とはならず、むしろスペック上の画素数の少なさが販売数の足を引っ張る状況になっていたというのが現実であったのだ。

富士フイルムがこれまでの方針を転換したのがこのFinePixF50fdであるといえる。
画素数は他社のハイエンドコンパクトスタイルと同等の1200万画素、でありながらも高感度性能もISO6400までを実現している。

さて、それではこのFinePixF50fdはどのような性格を持ったデジタルカメラなのであろうか。
そのあたりを中心にレビューをしてみよう。

コンパクトかつスタイリッシュになったFinePix Fシリーズ

まず、外観をざっと見てみると本体の厚さがぐっと薄くなったことが分かる。数字上もF30の27.8mmからF50fdでは22.9mmとなっている。
ちなみに他社同クラスが22-24mm前後。これによって可搬性が大幅にアップしている。

他社同クラスとほぼ同じ厚さになった。

FinePix F30はかなり厚めでズボンのポケットに入れるのには不安があったが、F50fdであればさほどの躊躇もなく入れることができるはずだ(実際にズボンに入れて持ち歩くといろいろ危険なのでオススメはしないが)。

この薄型化最大の原因はバッテリーが小型になったことだ。
いわゆるボックス型であったFinepix F30のリチウムイオン充電池から見ると、FinePix F50fdのそれは圧倒的に薄くなっている。

上がFinePix F30用のバッテリー。下がFinePixF50fdのもの。

もちろん、薄くなったということは容量が減っているわけである。というわけで、バッテリーライフは悪化してしまっている。
F30/F31fdではCIPA準拠で580枚という圧倒的なバッテリーライフを誇っていたのだが、F50では240枚と半減以下になってしまったのだ。
ただし、これは純粋な容量減のみが原因で起こったことではない。他にも理由があるのだ
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