コマンドダイヤルで撮影意図を簡単に反映できる
デジタル一眼レフではそのほとんどで採用されているコマンドダイヤルだが、コンパクトスタイルのもので搭載しているものはほとんどない。COOLPIX P5000のコマンドダイヤルはプログラムモードではダイヤルを廻すことでプログラムシフトを使用することもでき、シャッター速度優先AEや露出優先AEでの各項目の変更、およびFnキーに登録した機能を変更する際に使用できる。
▲コマンドダイヤルが良好な操作性を実現している。 |
Fnキーは初期状態ではISOの変更になっており、これはそのまま利用することが多いだろう。露出やシャッター速度、ISOなどをワンアクションで変更できるコマンドダイヤルは基本的な使い勝手を上げてくれている。
特にプログラムシフトが使えることがかなりありがたい。デジタル一眼レフに近しい使い勝手を提供してくれているのである。
コマンドダイヤル以外の操作性も全般的に良好なことも挙げておきたい点のひとつだ。
露出補正やセルフタイマーといった機能の切り替えに、ツーステップで入れることが大きい。また、メニューでの操作や再生などにおいてもコマンドダイヤルと十字キーが併用できることで、良好な操作性を保っているのだ。
COOLPIX P5000は果たして『高級機』なのか?
その反面、気になった部分もある。AF速度が「速くない」ということだ。いらいらするほど遅いということはないのだが、本当に「速くない」というレベルとなっている。確度は充分に高いのだが……。
その他にも撮影後のプレビュー画像がキャンセルできない、手ぶれ補正機構を搭載しているためかCIPA準拠で撮影可能枚数が250枚と多いとはいえない、顔認識機能がシーンモードにしか存在していないなど、細かい不満点はあるものの総じて撮影しやすい環境を与えてくれているデジタルカメラである。
▲バッテリーはかなり小型。偽造対策にホログラムが貼られている。 |
最後にCOOLPIX P5000は高級コンパクトなのか否かを論じてみたい。
COOLPIX P5000には高級コンパクトとしては圧倒的に欠けている部分がある。それは物欲を満足させる質感や、製品が持つ独特の『味』だ。
しかし、その一方で撮影者にとって、撮影しやすいコンパクトスタイルのデジタルカメラであることも確かだ。撮影意図を反映させるための設定が楽にできる。
最近は小型軽量のものが出てきたとはいえども、デジタル一眼レフは形状からして持ち歩きにくい。その画質は圧倒的だが、日常で持ち歩くのはかなり辛いものだ。
その点、COOLPIX P5000であれば持ち歩ける大きさで、かつ撮りやすい環境を揃えることができる。
特にコマンドダイアルが搭載されていることはデジタル一眼レフライクな操作性を与えている。
COOLPIX P5000はかつての『高級コンパクト』と呼ばれるジャンルに置かれるものではない。しかし、使い方によってはメイン機にも、デジタル一眼レフのサブ機にも使える、非常に素直なデジタルカメラとしてオススメできる製品だ。
(COOLPIX P5000 実写画像&スペック)
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