動画フォーマットを100マスドリルに喩えると……
それぞれの方式の解説がやや難しいが、ちょっとした喩えを出してみよう。100マスドリルというドリルが存在する。縦横にそれぞれ0~9の数字がランダムに入り、交点に四則計算の答えを記入するというアレだ。
MotionJPEGは100マスすべての計算をバカ正直に行う方式であるといえる。
縦に3の数字があれば、3+1=4/3+8=11/3+4=7……というように単純に計算を行っていく。次の縦の段が2であれば、また最初から2+1=3/2+8=10/2+4=6……となるわけだ。
単純で間違いは少ないが、時間(この場合はファイルサイズ)がかかる。
それに比べ、MPEGはまず横一列の計算をすべて行い、その答えから差分を求めるという方式であるといえるだろう。
縦の数字が3、2、4と続いていれば、最初は「3+横の数字」の答えをすべて計算し記入する。
次の2の段はその答えから1を引いた数を記入とし、4の段は2の段の答えに2を足した数を記入していく。
この方式は計算に費やす時間(ファイルサイズ)は短くなるが、差分の取りかたや基準点にミスがあると大きな間違い(ノイズ)が生じてしまうのが弱点だ。
さて、ざっと規格の違いを抑えたところで実際に使った際の違いを見てみよう。
どちらを使えばいいの?
MotionJPEGも、MPEGもどちらも動画の方式としては一長一短があるといえる。絶対的な画質はMotionJPEGに分があるが、VGA/30fpsで録画すると1分で70~100MBていどのファイルサイズとなってしまう。
たとえば初代のPlayStationで採用されていた動画フォーマットはMotionJPEGであった。
しかし、動画を多く扱うゲームになると3枚組以上になることも珍しくなかったことを覚えているかたも多いだろう。
このことからもMotionJPEGにおけるファイルサイズの大きさが理解できるだろう。
逆にMPEGはその特性上、MotionJPEGの1/4~1/5ていどのファイルサイズで済むが、やや画像は荒れてしまう。もちろん、圧縮度を変えればあるていどの画質は得られるが。
また、MPEGで記録・再生を行なうためにはMPEGを扱うための画像エンジンを搭載する必要がある。
そのため、MotionJPEGを搭載するものよりもどうしても高価になってしまうという側面もある。
・デジカメ動画にはふたつのフォーマット
・MotionJPEGとMPEGの違いをたとえると?
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