●起動速度ではDiMAGE Z1がダントツ
このページではスペック表に現れない性能を見ていくとしよう。
これらの数値、感触は使い勝手に大きく作用してくる。スペックにある数字よりも大きな意味を持っているといってもいいだろう。
まず、起動速度から見ていこう。
どれよりも素早く起動するのはDiMAGE Z1だ。
スイッチを入れてから起動するまで約2秒。超10倍ズームレンズ搭載機としてはもっとも速い起動速度である。
10倍ズームレンズ搭載機はその機構による制約上、起動速度を速くすることはなかなか難しい。
そんな中、DiMAGE Z1の約2秒という数字は評価するに値するだろう。
次に優れているのはDMC-FZ10で約3秒。 ただし、これは起動前にテレ(望遠)側にレバーを固定しておき、12倍望遠の状態で起動したときの速度である。
テレ側起動ではなく、通常に起動させた場合はDMC-FZ2と同等となる。
残りのDMC-FZ2/C-745UZ/C-755UZ/FinePixS5000はどれも4秒台後半であった。
さらに、C-745UZ/C-755UZ/FinePixS5000の3台は前回電源を切った際のレンズ位置を記憶している。そのため、レンズをテレ側にしていた場合、さらに起動時間がかかる。
これは起動と同時に前回と同じ位置にできるという部分とトレードオフで利用すればいいだろう。
筆者は毎回、ワイド側に収めてからスイッチを切るように心がけていたことも書いておくべきではあると思うが。
●連写性能ではFinePix S5000に一日の長
次に撮影間隔、すなわち連写性能である。
これは連写モードではなく、1枚撮影してから次の写真が撮れるようになるまでの時間という意味だ。
FinePix S5000が約1秒でダントツの速さを見せた。
次に速かったのがDiMAGE Z1/DMC-FZ2/DMC-FZ10の3機種。
どれも1秒台半ばという成績で、充分な連写性能を持っているといっていいだろう。
C-745UZ/C-755UZは3秒弱と振るわなかった。
これは2年半前に発売されたC-700UZから基本的な設計を引きずっているせいではないかと思われる。
●AF機能がしっかりとしているのは?
さらにオートフォーカスの性能を見てみよう。
こちらはコンマ何秒の世界であるため、数字ではなく感触で伝えることになってしまうが許していただきたい。
もっともオートフォーカスの確度が高く、素早かったのはDiMAGE Z1。ワイド側でも望遠側でも素早いオートフォーカスが望める。
ただし、大きく外すことも稀にあるので注意が必要だ。それでもEVF/液晶ディスプレイが高品質なのでピントを外しているときにはすぐにわかる。
次にいい感触を得たのはFinePixS5000であった。
暗部でも補助光が投影されるため問題がない。ただし、ワイド側では非常に素早く合焦するが望遠側ではかなり遅くなる。
DMC-FZ2/FZ10もほとんど同じ傾向であった。
ワイド側ではかなり素早くフォーカスが合うが、望遠側ではかなり迷うことが多い。ただし、確度はかなり高く安心できる。
C-745UZ/C-755UZも傾向としてほぼ同様のものである。速度的にはDMC-FZ2/FZ10のほうに分があった。
●グリップも重要な要素のひとつ
最後にグリップを見てみよう。
これもスペックには現れないが、大事な部分だ。特に超10倍ズームレンズ搭載機において起きがちな手ぶれをなくすためにも重要である。
もちろん、手の大きさなどによって個人差はあると思われるので、これはあくまでも参考にしていただくていどに受け止めてもらいたい。
もっとも持ち易かったのはFinePixS5000だった。
ゴム製のグリップがしっかりとしたホールド感につながっている。
次に持ち易かったのはDiMAGE Z1。
プラスティック製で感触はよくないが、グリップ形状によって良好なホールド感がある。
その次にはC-745UZ/C-755UZ。この2機種に関してはごく普通であるといえる。
DMC-FZ10はグリップ部にアールが少なく、やや持ちにくい。FZ2もほぼ同じ持ちにくさがある。
4つの項目中、DiMAGE Z1とFinePix S5000がふたつずつをわけあった。
次のページではさまざまなシチュエーションでの向き不向きを考えてみよう。
(Page3 - シチュエーション別オススメ&総評)
・超10倍ズームデジカメ一覧
・スペックに現れない性能は?
・シチュエーション別おすすめ&総評
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