30年の歴史を誇る日本語新聞「イースト・ウエスト・ジャーナル」 |
1976年に創刊し、今年30周年を迎えた同紙の社長、永井雄治さんにお話をうかがいました。
1ドル360円時代に特派員として渡米、移住
永井さんが渡米したのは、ドル獲得と海外雄飛がキーワードだった1969年の暮れのこと。1ドルが360円に固定されていた時代の話です。とある月刊経済紙の特派員としてアメリカに渡り、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ホノルルなど、全米の主要都市を順次回っては、進出していた日本企業のトップにインタビューをしたり、彼らのアメリカ市場での動向を日本へレポートしたり、という役割を担っていました。経済誌の特派員として渡米した後、30年前にハワイに定住。社長の永井雄治さん |
「ホノルルに落ち着いてからも、経済誌の特派員をしていた経験を生かしてできる仕事を、と思っていました。毎日のニュースを題材とする新聞というよりは、まだ誰もやっていない、読み物的な要素が強い分析記事や、ビジネス情報などを中心とする日本語新聞の発刊を考えたのです。」
1976年6月にEast-West Journal Corporation(イースト・ウエスト・ジャーナル社)を設立した永井さんは、これまでにない、まったく新しいタイプの日本語新聞「イースト・ウエスト・ジャーナル」を8月15日に発刊されました。
生活情報+ビジネス・ジャーナリズムの視点で大ヒット
日本を長く離れている日本人にとっては、毎日ハワイで起こるニュースもよいのですが、大きな流れとして、日本はどうなっているのか、ハワイやアメリカはどう動いていて、それがどのように自分たちの生活に影響してくるのかが最大の興味です。また、小さなコミュニティだからこそ、同じように日本から来た人々がどのように暮らし、日系企業が何をしているのかも気になるところ。イースト・ウエスト・ジャーナルは、そのようなニーズを的確にすくいあげ、生活情報誌にビジネス・ジャーナリズムの視点を加えた個性豊かなメディアとして誕生しました。発行は月に2回(1日と15日)に絞りながらも、徹底的に自らの足で取材をしたオリジナルの記事や、在住日本人によるコラムは、活字情報に飢えた日本人の間で大人気となったのです。
「イースト・ウエスト・ジャーナル紙はタブロイド版32ページでスタートし、この30年ずっと同じ形で毎月2回の発行を守り通してきました。ハワイの政治、経済の動向を中心に、日本企業のトップ・インタビュー、 新規ビジネスや、ハワイで活躍する日本人の紹介、ハワイ生活に必要なQ&A、各種催しスケジュール、総領事館ニュースなど、ハワイの動きを網羅し、その内容はハワイで最も信頼される日本語新聞と、今も変わらぬ高い評価をいただいています。」
年間購読制、あるいは書店売りというスタイルで有料販売され、その後は在住日本人の増加に伴い人気も定着していきました。
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