ハワイ/ハワイ関連情報

創立30周年イースト・ウエスト・ジャーナル(2ページ目)

今年30周年のイースト・ウエスト・ジャーナル紙は、生活者の視点で独自に編集された月2回発行の日本語フリーペーパー。ハワイ在住者に信頼される情報が満載です。社長の永井雄治さんにお話をうかがいました。

執筆者:上野 元

元祖「くらしの便利帳」はベストセラーに!

くらしの便利帳
ハワイ生活者にはなくてはならないバイブル「くらしの便利帳」
ハワイで暮らす日本人には、彼ら固有のニーズがありますが、生活に密着したことほど、言葉や文化の違いは深刻です。病気をしても、英語で医師とコミュニケーションを図るのは、たいへんな苦労。不動産や車なども、高価なだけにちょっとの行き違いが大きなトラブルになりがち。会計士、弁護士、建築関係などなど、言葉や文化・習慣などの背景を共有することが必須のサービスも多いのです。

そんなニーズにいち早く注目した永井さんは、「電話番号早見表とくらしの便利帳」を1976年10月に発行。日本語でサービスが受けられるビジネスや、日本の食材、本などが手に入る店、日本食レストランなどをまとめた電話帳に、ハワイやアメリカで暮らすための生活のヒントを加えた内容は、ハワイで暮らす日本人のバイブル的存在となりました。近年まで数件ほど存在した日系書店では、2年ごとに改訂版が出るたびに、まとまった数が売れるハワイのベストセラー商品になっていたほどだそうです。

バブル景気とともに成長。「新ハワイ百科」などの出版事業で躍進

新ハワイ百科
いつも新しいニーズに敏感。バブル期の企業に人気を博した「新ハワイ百科」
日本がバブル景気に突入すると、ハワイへの日系企業進出が急増。社員旅行や、研修を兼ねたインセンティブ旅行なども大幅に増えました。永井さんは、そこでも嗅覚鋭く新たなニーズをキャッチします。

「企業が研修で社員をハワイに連れてくる機会が多くなればなるほど、ハワイの経済事情や政治などについてまとめた資料が必要になってきたんですよ。研修に来るということは、セミナーを行ったり、見学ツアーを行ったりして、帰国後にはそのレポートをまとめることが要求される。でも、資料が全部英語では、役に立たないわけです。」

そこで永井さんが考えたのが、研修者に必要な情報をまとめた、ハワイの政治・経済に関する百科事典のような本の出版でした。日系企業に深く入り込み、信頼されていた永井さんだからこそ知りえたニーズであると言えるでしょう。

「1984年の1月に『新ハワイ百科』を出版し、以後は2年ごとに改訂を加えて3号まで継続しました。」

研修者に便利なものは、当然、進出してきた日系企業の駐在員にも便利なものです。それまでは駐在員が自ら調査してまとめていたことも、「新ハワイ百科」を親会社に送るだけで良くなるケースがあったりと、とても重宝がられたそうです。

その後は、たくさんの日本人が駐在するようになって読者や広告主が増えたことも背景に出版活動にもはずみがつきました。1985年10月には、日本人官約移民100年祭記念「ハワイ文化芸能100年史」を出版。1987年2月には、日本人観光客向け無料紙「イースト・ウェスト・ニュース・フラッシュ」(週3回月・水・金)を創刊(現在は休刊中)して、日本のニュースをワイキキの街角で配布しました。

1990年10月には連載記事の「駆け出し記者50年(足で書いたハワイ日系人史)」(平井隆三・著)を、そして1992年11月には、10年にも及ぶ連載記事「がんばる戦後一世」を集大成した「がんばるハワイの新一世」を出版するなど、精力的な活動を続けた時代でした。

⇒ 有料紙からなんとフリーペーパーへと戦略転向!? さて、その理由とは…?
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