最近の国内メーカー製ノートパソコンのほとんどに搭載されている機能の1つに、FeliCa機能がある。
FaliCaは携帯電話のおサイフケータイや、Suica、PASMO、Edyなど、日本で利用されている非接触型ICカードの多くで採用されている方式だ。もちろん他の規格もあり、例えばタバコ自販機用のtaspoは他の方式が使われているが、FeliCa自体は国内で業界標準といっても差し支えないくらいに普及している。
FeliCa機能搭載パソコンについているFeliCaリーダ・ライター部分のマーク
いくら普及しているからと言って、パソコンにFeliCa機能をつけたとしても、おサイフケータイなどを使った買い物以外にあまり使い道がないというのが正直なところ。
そんな便利なのか余計な機能なのかよくわからないFeliCaだが、東京ビッグサイトで毎年3月に開催されているIC CARDの展示会IC CARD WORLD 2008では、将来のFeliCa機能が公開されていた。
展示会でのデモ内容から、FeliCa機能がどうなっていくのか見てみよう。
ちなみに、IC CARD WORLD自体は流通情報システムの展示会リテールテック・ジャパンなどと2008年は3月4日から7日まで開催されている。
FeliCaの応用デモ
FeliCaのリーダ・ライターの累計出荷台数は500万台、FeliCa ICチップの出荷個数は2億個で、前述したように必要十分なほど普及はしているが、今後はこれをどう生かすかが問題になってくる。
今回のIC CARD WORLDでも、昨年設立されたマーケティング会社のフェリカポケットマーケティング株式会社の展示内容と合わせて応用例などが目立った。
FeliCaを応用した機能の1つにNFRMがある。動画などの権利を携帯電話などからPCなどへ移行し、デバイスを問わず動画コンテンツなどを視聴できるサービスで、この権利情報の移行には当初FeliCaを利用していたが、赤外線でも可能になりFeliCa自体は必須ではなくなった。
このNFRMに似た機能としてIC CARD WORLDで展示されていたのが、携帯電話で購入した音楽を、車や他の携帯電話にFeliCaでタッチすることで、タッチした先でそのコンテンツをストリーミング再生可能な物。
単純に権利を移動するのではなく、ストリーミング再生であり、元の権利はそのままとなる。これは、良い曲などを見つけて友人などに教えたい場合に、FeliCaでタッチするだけでタッチ先の携帯で再生出来るようにするデモだ。現在、権利関係をクリアして同じようなことをするのは難しいが、それぞれの端末をタッチするだけ実現できるので、FeliCaの新しい応用例として期待の機能だ。