書類をデジタル化するような記事を書いておきながら、ドキュメントスキャナは個人的にはまだ導入していない。
導入しなかった理由はいろいろあるが、スキャンが面倒くさい、スキャナがそこそこ高いというのが主な理由だ。
だが、整理しなければならない書類が日々たまり続け、現時点で積み重ねると1m近くあり、この中から必要な書類を引っ張り出すのはほぼ不可能な状況だ。そろそろ整理しないとどうしようもない。
買うとしても、5万円前後の製品が多い。この価格が高いかと言われれば、利便性を考えれば決して高いわけではない事はわかっている。気軽に買える価格ではない微妙な価格のため、なかなか手が出なかった。
そんな中、PFUから低価格版のドキュメントスキャナScanSnap S300が登場した。実売3万円程度で、より小型になりUSBバスパワーでも使用可能というエントリー向けの製品だ。
コンシューマー・SOHO向けドキュメントスキャナ
左のScanSnap S300とS510。S300は紙の受けなどもないが、高さも低く設置面積も小さくて済む。 |
コンシューマー・SOHO向けのドキュメントスキャナといえば、海外ではVisioneerなど日本では見かけないメーカーからさまざまざまな製品が出ているが、日本の向け製品としてはPFU、キヤノンなど非常に限られている。
キヤノンの最新機種はプロジェクターに投影するVGA出力などがあり、価格も若干高くなるなど、どちらかと言えばビジネス向けにラインナップを強化しているようだが、PFUは従来機のS510に加え、エントリー向けのS300を追加するという逆の方向へ展開しており、個人・SOHOにはPFU製品を中心に選ぶのが良さそうだ。
ScanSnap S300
今回試用したScanSnap S300は、従来機種のS510より小型で性能も落ちるが価格も安いエントリー向け製品だ。
低価格化のためにAdobe Acrobatも省略されており、スキャン速度も読み取り画質にもよるが半分近くに落ちている。半分に落ちるといっても、カラー300dpiで1分6枚が4枚速度とそれほど落ちているわけではない。後述するが、それ以外の処理に時間がかかるため、速度自体はたいした問題にならないだろう。
読み取り速度が遅くなった分メリットもあり、AC電源での利用以外にUSBバスパワーでの使用が可能となっている。小型の本体とケーブルだけ持ち運べばいつでもどこでもスキャンが可能で、出張先などで紙の資料をスキャンし、重たい書類は処分したり別送しても、帰りの電車や飛行機内でノートパソコン1台だけで内容を確認するような使い方も可能だ。
Adobe Acrobatは省かれているが、PDF化する機能は備えており、読み取った画像から文字を認識するOCR機能もあるため、ソフトウェア面では問題はない。
問題があるとすればMac OS Xでは使えない点で、これはドライバが用意されて一応使えるが他のソフトが必要になる上位モデルのS510でも似たような状況だろう。