指紋認証は安全なのか
センサーの認証機能自体がセキュアでも、偽造指紋を使って指紋認証をすり抜けたら同じ事だと思う方も多いだろう。
これらについて同社の担当者に聞くと、グミや粘土などを使用したなりすましは現行製品ではほぼ不可能とのこと。
偽造指紋対策については公開できない情報が多い。どのような技術が使われているか解説出来ないのが残念だが、専門家がクラッキングしようと思っても困難な程の対策とのことなので、少なくともUPEK製品の指紋認証自体は非常にセキュリティ性能が高いと言えるだろう。
もちろん、素人がスパイ映画などと同じような手法を使っても、指紋認証をすり抜けることはほぼ不可能だ。
UPEK製品は他人許容率(FAR)や本人拒否率(FRR)などの性能も高いとのことだが、これも表皮指紋と真皮指紋の両方を使用するなど、さまざまな技術が使われていることも関係しているとのこと。
UPEK製品が多くの製品に採用されているのは、このような技術の高さにもあるのかもしれない。
もちろん、クラッキング技術は常に進歩している。UPEKはもちろん、各指紋認証デバイスメーカーも常に技術開発を行っているため、最新製品を使う限りにおいては、指紋認証自体は安全と思っていただいて問題ないだろう。
指紋認証は便利だが
指紋認証はパスワードを忘れてログインできなくなることもないし、パスワードを入力しているところを見られてパスワードを盗まれるショルダーハッキングも防げる。
何より指紋認証を使って便利なのは、指を滑らす簡単な操作だけで、面倒くさいパスワード入力が不要な点だろう。よりセキュアな、長く複雑なパスワードを入力する際にタッチミスすることも多いが、非常に簡単にログインすることが出来る。
今でもそうだが、このような個人認証技術が発達し、PCをセキュアな状態に保つと、万が一どこかのデバイスが故障した場合、データが取り出せなくなることがある。
そのような場合に備えてのバックアップは必要だが、バックアップしたデータ自体にセキュリティを施すのも忘れずに行っていただきたい。
[上倉 賢]