情報流出がいまだに、一般紙を賑わせているが、このサイトを読むような多くのユーザーはある程度の知識もあり、所属組織による余計な対策で迷惑している方も多いだろう。
さまざまな対策のおかげで、業務が非効率になった方もいるだろうが、パスワードなど基本的な認証を行う事に反対の方は少ないと思う。その個人認証技術の中で、最も実用的で普及が進んでいるのが指紋認証だろう。
UPEK製センサー |
指紋認証に限らずバイオメトリクス認証(生体認証)は、人間の体を鍵の一部に利用するため、確実にその個人が特定できる。
最近はICカードを使った認証もあるが、ICカード自体の認証は出来ても、それを持っている人が誰なのかを特定することは出来ない。
指紋や静脈、顔などさまざまなバイオメトリクス認証があるが、パソコンのような機器に搭載可能な小型のデバイスで、熟成が進んでいるのは指紋認証以外にないだろう。
そのパソコンに入っている指紋認証デバイスのほとんどを提供している、指紋認証界のインテルやマイクロソフトのような会社がある。それがUPEKだ。
UPEK - ユーペック
UPEK(ユーペック)はSTマイクロエレクトロニクスからスピンオフしたベンチャー企業。指紋認証デバイス自体はもちろん、ソフトウェアまでのトータルソリューションを提供している業界でも珍しい存在だ。
ノートパソコンに限れば、国内メーカーも含め、ほとんどの製品で同社のデバイス・ソフトウェアが採用されている。
もし、自分のパソコンに指紋認証デバイスがあれば、デバイスマネージャーで指紋認証デバイスを確認していただきたい。ほとんどの確率でUPEKのTouchChipが使われているはずだ。
UPEK製ソフト |
指紋認証デバイス自体はパソコンに取り付けるもの、USBなどで外付けにするものなどあるが、UPEK製品の特徴として、指紋センサーとコンパニオンチップを組み合わせたセキュアな製品であることだろう。
ここで使われるコンパニオンチップは、指紋認証に関係する機能をこの中で完結出来る。指紋のデータをHDDに置く事も出来るが、コンパニオンチップに置くことを選べば、攻撃ポイントが減るため、よりセキュアな状態が保たれる。
UPEK製センサーを採用していても、コストを省くためコンパニオンチップが使われていない場合もあるが、センサーとコンパニオンチップの組み合わせは、アタックする場所も少なく、クラッキング自体が困難となる。
指紋認証の原理も含め、このあたりの詳細は、長くなるので別の機会にしたいと思う。