タブレットPCでデジタルノート
手で持って使ってみる |
Windows Vistaのスニッピングツール(Snipping Tool)は画面に表示している内容をどこでも簡単に画像として切り取れるため、切り取ったデータをそのままWindows Journalなどのソフトに貼り付け、メモに利用することが可能だ。このような使い方ではタブレットPCの機能が生かせる。
Vistaと同時発売の、2007 Office Systemはデジタルインク機能があり、作成した資料の校正などで、簡単に赤ペンチェックすることも可能だ。
これらの機能を活用すれば、簡単にデジタルノートが実現できる。
デジタルノートは、紙と鉛筆でメモするような感覚で、コンピュータ上で紙のノート以上の生産性を実現する。通常のパソコンでもキーボード入力と、マウスなどを使って実現可能だが、図などをマウスだけで書くのはかなり面倒だ。
この点、タブレットPCなら画面に直接文字や線を書くだけなので、簡単に手書きの図を書けるようになり、本格的にデジタルノートが使用可能となるだろう。もちろん、キーボードを併用してもよい。
Pavilion tx1000のタブレットPC機能は、より正確な入力が出来る電磁誘導式ではなく、よりコストの安い感圧方式だ。電磁誘導式では、専用のペンが必要だが、感圧方式だと、ニンテンドーDSの用に手でタッチしても文字や図を書き込むことが出来る。
タブレットPCで、紙に書くように画面に書き込む場合、ペン以外の、手の腹なども液晶画面につけることになる。その関係もあるのか、ペン入力自体の感度はあまり高くなく、しっかりと書き込まないと入力できない。
筆圧は人によって異なるが、筆者の筆圧は低いためか、初めは液晶が壊れるのではないかと思うほど、しっかりと入力する必要があった。しばらく使い、どの程度の力で書けば良いかを認識出来れば、それ以降は特に意識することなく、手書き入力が出来た。さまざまな用途で、タブレットPCは使い込むと今まではキーボードとマウスだけで使っていたのが信じられないくらいに、タブレットPCの機能を活用するようになった。
このあたりは、これを文字で表現するのは難しいが、例えば良質な万年質を始めて使う人が、こわごわと使い続けるうちに万年質の良さに気づくような感覚だろうか。
タブレットPCは使ってみれば良さが解る
個人的には、紙に自分で数ヶ月後にも読める文字を書く場合、明らかにキーボード入力より速度が落ちる。
そのため、紙にメモせざるを得ないときはメモした直後にコンピュータに打ち込み直したり、紙に書かずにコンピュータに直接入力することが多い。
そのため、紙に文字を書くことは、めったくになく、ペン入力のタブレットPCにはほとんど興味なかったのが本音だ。
今回、この製品のレビュー用に、久しぶりに本格的に書いてみたが、文字認識には慣れが必要な部分もある物の、Windows Journalなどを使ったデジタルノート的な使用方法では、図や注目線などを簡単に書くことが出来てかなり便利だ。
今まで、コンピュータでメモを書く場合、テキスト入力しかしなかったため、テキスト入力に特化したエディタしか使っていなかったが、メモのための入力なら、テキストエディタよりも図なども簡単に書き込めるWindows JournalやOneNoteのようなデジタルノートを実現できるソフトを使った方が生産性が高くなりそうだ。
もちろん、タブレットのすべてがいいわけではなく、文字入力は、手書きよりもキーボード入力の方が明らかに速いため、キーボード入力と、タブレットPCのいいところ取りが必要だろう。
より価格の高いLenovoのThinkPad X60 Tabletは感圧方式と電磁誘導方式の両方式を採用し、HDD保護用に使っていたセンサーを応用し、液晶画面の自動回転用にも使うなど、タブレットPCとしての機能は明らかに高い。
HP Pavilion tx1000はそのような高度な機能はない物の、感圧式でも十分な認識精度を持ちながらも、よりリーズナブルとなっており、よりコストを抑えてタブレットPCを使った各種コンピュータ操作の生産性を向上したい方や、パソコンを今までとは違った使い方で活用したい方の入門用にも最適だろう。
個人的にも、今回のレビューでタブレットPCの使い勝手の良さを認識してしまったため、次に買い換えるB5ノートはタブレットPC機能の付いた物を選択する気満々となってしまった。
[上倉 賢]