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古いノートパソコンを整備する

数年前のパソコンは現役で使えますが、スペック的には見劣りします。そんなちょっと古いパソコンを整備し少しでも活用できるようにしましょう。今回は情報収集編です。

上倉 賢

執筆者:上倉 賢

ノートパソコンガイド

2001年頃購入したThinkPad s30はPentium III 600MHzで、HDDが20GBと今時の低価格PCの半分以下の性能しかないが、Webブラウズなどの用途で問題なく使えている。
メインで使っているわけではないので、たまにしか起動しないが、その時気になるのはHDDの動作音とメモリの少なさ、無線LANの遅さだ。
特にHDDは今時の流体軸受けではなくボールベアリングなのでかなりうるさい。筆者が所有し、現役で動かしても問題ないノートパソコンの中では別格のやかましさだ。

このように古いけどまだまだ使えるノートパソコンを所有している方も多いと思うが、性能アップと活用方法を何回かに分けてお届けしよう。

今回紹介するさまざまな方法は、メーカーの保証は受けられなく事が多数あるので、ご注意下さい。

ThinkPad s30
今回餌食となるThinkPad s30(キーボードは英語版に換装済)
横に出っ張った耳みたいなところに無線のアンテナがある独特の形状。ピアノブラックというつるつるテカテカの筐体も話題になった。

情報集め

古い機種だとスペックを覚えているわけが無く、マニュアルなどを整理していつでも取り出せるようにしていればまた別だが、どこにあるのか分からなくなってしまった方も多いだろう。
そんな時こそWebサイトから情報収集しよう。機種情報はもちろん、各種チップ、デバイスなどの技術情報もなどもよほど古い物でなければ、各メーカーがサイト上で情報を提供している。

今回の旧IBM製品に限らず、各PCメーカーがネット上に情報提供を始めたのは1990年代後半から。Lenovoも同じでその頃の製品情報やカタログ、技術資料をPDFで取り出せるようになっている。
それ以前の製品は、1990年代初頭までの製品スペックは参照できるようだが、細かな技術情報は得られなかった。
今でも使えるPCという意味では1990年代後半からの物があれば十分だが、より古い製品情報を知りたい場合は苦労するかもしれない。メーカーにより情報の量は異なるが、ここ数年の情報ならWebサイトからほとんどの情報を得ることが出来る。

今回対象とするThinkPad s30(2539-4WJ)をThinkPad 製品カタログで確認すると、超低電圧版Pentium III 600MHz、HDD 20GB、メモリは標準128MBで最大256MB。無線LANはIEEE802.11b対応などカタログ情報から基本的なスペックは得られた。

この頃のHDDはIDEの2.5型9.5mm厚品が一般的で、今でも手に入れることが可能だ。
数年後はSATA接続品しか売ってない可能性もあり、もし古い機種の交換用にと考えていたら、IDE品の販売状況は定期的にチェックしておいた方がいいだろう。

次にメモリだが、最大256MBは当時のプリインストールされていたWindows 2000 Proを使うにはとりあえず問題ないが、多ければ多いに方がいい。
最大メモリ表記は、メーカーや機種によるが、製品販売時点でそれより大きなメモリモジュールがないなどの理由であえて低く表記することもあり、実際はカタログスペックを超えたメモリの搭載が可能なこともある。

メモリはチップセットにも関係してくるので、チップセットであるインテルのサイトから情報を確認する。
インテル440MXチップセット製品概要からリンクされているMobile Intel Pentium III Processor/440MX Chipset Platform Design Guideの2.2.2 DRAM Interfaceにメモリのことが書かれているが、要するに440MXでは最大256MBですよということだ。
チップセットの上限が256MBなので、増設済みの256MBで使うしかない。

無線LANはminiPCIカードなので、技術的には比較的簡単に交換可能だ。miniPCIカードと使用するOS用のドライバがあればなんとかなるだろう。
一応ThinkPad用のオプションとして用意されているか調べるために保守マニュアル等を読むと、ThinkPad s30用の無線LANカードとしては1種類(FRU 08K3309)しか用意されていないことがわかる。この1つが標準の無線LANカードだ。
Lenovoのノートブック用オプションとしてワイヤレス・ネットワークを調べてもThinkPad s30用のオプションはない。
ThinkPad s30で使えるかもしれないIEEE802.11b/gのminiPCIカードを信頼できるところが入手できるのが理想だが、とりあえずLenovoには無いようだ。
ネット上で調べると他の製品に使われていた物を流用して接続する人もいるようなので、miniPCIカードがお手頃価格で手に入れば是非挑戦してみたい物だが、今回は保留とする。

CPUの交換やクロックアップも可能かもしれないが、今までの経験からシステム全体の安定度と実用性が微妙のため、今回はやらない。15年間前くらいなら、そんなことも含めてパソコンハードが楽しかった時代もあったが、特に最近のノートパソコンは素人がそんなことが出来ないくらいに高度になっている。
今楽しめるのは、周辺機器やソフトの分野だろう。

結局HDDのみ

こうして調べると、結局のところHDDしか交換できないことが分かった。
HDD交換だけでも、音と容量が拡大できる。miniPCIの無線LANカードも入手できれば交換も可能だが、ネット上で調べると使えるかどうか分からない新品のバルクが5,000円程度と現状それほど通信速度向上に予算を使うのは持ったいない気もする。
これについては秋葉原などでジャンク品を見つけてなんとかしてみたいが、今のところいつ発掘できるかわからないので期待しないでいただきたい。

次回:
HDD交換の準備をする

[上倉 賢]

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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