従来モデルの ThinkPad T40 シリーズと比較すると見た目で大きく異なるのが、パラレルポートがなくなっている点だろう。それ以外はほとんど同じだが、実際には内部の設計はかなり異なっており、筐体合成もかなり向上している。
設計がかなり違うことがユーザでもわかりやすいのは、各種ポートの位置以外にもメモリスロットの位置だ。従来機種では、本体裏面から用意にアクセスできたメモリスロットが、パームレスト部分に移っている。メモリを増設するためには、ネジを5箇所外さなければならず、簡単ではない。
簡単ではないが、それほど難しくもなく、このような作業に慣れている人には問題ないだろうが、お世辞にもやりやすいとは言えない。タッチパッドや指紋認証モジュールのケーブルもあり初心者の方や慣れていない方はメモリ増設で苦労する事もあるだろう。
動作速度は?
今までメインで使用していたのが Mobile Pentium III-M の 1.2GHz で、今回購入したのが Core Duo の 1.84GHz。周波数だけでは、1.5倍だが、実際にはどれくらいの速度向上があるのか、スーパーπという円周率を計算するソフトで、演算性能を比べてみた。
CPU使用率は常に50%程度
プロセッサ | 104万桁 | 419万桁 | 速度比較 |
Pentium III-M 1.2GHz | 2分2秒 | 10分4秒 | 1倍 |
Core Duo 1.84GHz | 36秒 | 3分7秒 | 3.3倍 |
Pentium 4 3.2GHz | 44秒 | 3分52秒 | 2.6倍 |
Pentium III-M 1.2GHz に比べ Core Duo 1.84GHz は、3倍以上の速度向上があることがわかる。これはプロセッサの違いはもちろん、メモリなども含めて設計が異なるためだが、Pentium
4 の 3.2GHz に比べても Core Duo 1.84GHz が早いという点に注目したい。
今回比較した Pentium 4 3.2GHz 搭載機種は筆者のデスクトップパソコン。いわゆる自作機で、主に動画編集など重たい用途向けに 2005年に組み立てたものである。
このシステム自体は総合的なパフォーマンスを上げるために、高速回転のHDDやRAID、それなりに高性能のビデオカードで構成されている。システム全体の性能としては単純にこの数値だけでは比較できないが、プロセッサの発熱などで夏場になると冷却のためのファンの音が喧しくなるデスクトップPCに比べて、Core
Duo の演算性能は数値上の周波数が高い Pentiu 4 をかなり上回っている事がこの数値だけでもわかる。発熱も少ないため消費電力あたりの性能になると、かなり高いのだろう。
ビデオチップは ATI MOBILITY RADEON X1300 64MB。FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3の結果は High 2732、Low 5510 となっている。ゲームなどに興味のある方は参考にしていただきたいが、Windows Vista ではこれらの性能も重要となるため、アップグレードなどを考えている方はより高速のビデオチップを搭載している製品を選ぶ必要がある。
ちなみに、ThinkPad T60p や Core Duo T2500 搭載モデルはより高性能のビデオチップを搭載している。