Macintoshのノートパソコンは低価格モデルのiBookと、高性能機のPowerBookの2ラインあり、液晶サイズの違いなどで合計5モデル存在している。iBook と PowerBook は見た目も違うが、機能や使い勝手も違う。Windows系ノートパソコンも含めて、どのような違いがあるのかを解説しよう。
iBook
iBook は Apple Store でも12万円程度で購入できる低価格パソコンだ。低価格パソコンながら、メモリが
512MB 搭載され、HDD 容量も 40GB と、普通に使うには十分なスペックだ。
ラインナップとしては液晶画面サイズの違いで、12.1型と14.1型の2種類がある。持ち運ぶなら12.1型の方が無難だが、重量が 2.23kg と Windows 系ノートパソコンと比べるとかなりの重量なので、どちらかといえば使い勝手の良い14.1型を選び室内移動で使用する方が無難だろう。
また、バッテリ駆動時間と重量のバランスからも、Windows 系ノートパソコンに負けているし、PCカードスロットが無い点も気になる。AIR
EDGE 等をPCカードで使用することが出来ないので、USB接続で使用する必要がある。USB対応品は性能的にはPCカード品より劣るので、より高速な環境で使うためにはPCカード型が必須である。
PowerBook に比べると、キーボードの品質はだいぶ落ちる。iBook は Windows 系10万円前後の低価格ノートに良くあるタッチ感で、キー入力が多い方は PowerBook の方が良いだろう。
iBook と PowerBook の全モデルに当てはまるが、Appleの周辺機器でよく使われる FireWire(400) ポートは1基しか装備していないため、FireWire を iPod で使用する場合は、注意しなければならない。例えば、iChat AV 用の純正カメラ iSight は FireWire を使用するため、iPodと併用する場合は、繋ぎかえの必要がある。繋ぎかえが面倒な場合、 iPod は USB を使ったり、FireWireハブ(リピーター)を使う事になるだろう。
最近のWindowsノートパソコンはB5ノートでも本体にRGBポートがあり、プロジェクタに直接接続できるが、iBookの場合、付属のVGAビデオアダプタが必要になる。
iBook、PowerBook 共に最新機種では Bluetooth と無線LANが全機種に標準で搭載されるようになった。これにより、電源以外の周辺機器はワイヤレスにすることも可能なため、本体周りをすっきりさせることも出来る。iBook は価格も安くデザイン的にも悪くないので、価格的入門機に最適だろう。
PowerBook
12.1インチモデル以外はワイド液晶を搭載している。ワイド液晶搭載機はWindows系ノートパソコンにも多く、横方向の情報量が多いため、使い勝手に優れる面もある。17型の解像度は
1,440×900 で Windows系の最大解像度 1,920×1200 に比べると見劣りする部分もあるが、Mac OS X と Windows XP
ではフォントが違うため文字の視認性という面では
Mac OS X の方が優れているとも言える部分もある。
iBookの所でも書いたキーボードのタッチ感は、かなりこだわったタッチ感で、Windows系ノートでもこのクラスのタッチ感を持つ機種は多くない。PowerBook
は iBook に比べ、より使い勝手を考え、製品作りをしているのだろう。
15、17インチモデルには DVI 出力が備わっており、液晶モニタに接続する場合は便利だろう。プロジェクタに接続する場合は、VGA が必要なことが多いので付属の
DVI-VGAアダプタが必要になるので注意しよう。
Windows系ノートパソコンとの比較
Windows系の軽量ノートパソコンには光学ドライブを搭載していない機種もある。Macの場合、ラインナップの関係もあるが、全てのモデルに光学ドライブが内蔵されているのが特徴だろう。その光学ドライブも見た目が良いためか、Windows系には少ない、スロットローディング方式を使用している。
FireWire(IEEE1394) も Windows 系は
4pin が多いが Mac では
6pin である。またWindows系ではテレビチューナー搭載機種が目立つが、Macにはテレビチューナーを搭載した機種はない。
FireWireの4pinと6pinの違いは Windows で使う iPod で
Windowsからの移行に最適な機種は?
Macは Windows とはOSが異なるため使い勝手も違う。Microsoft Office、PhotoShop、Flash等の有名ソフトはWindows、Mac両方にリリースされているが、それぞれの専用ソフトも多い。メーラーなど使う頻度の高いソフトは、対応状況を調べておく必要があるだろう。
Windows と Mac を併用し、とりあえず Mac に慣れておこうと考えている方には、リーズナブルな iBook が良いだろう。Windows から Mac に完全に乗り換えるのなら、より使い勝手の良い PowerBook の15か17インチを選ぶのが良いだろう。
Appleは2006年から従来の PowerPC から Intelプロセッサへ移行するため、購入時期は若干考慮する必要がある。移行後の製品を狙うなら来年になるまで待つ必要があるが、iBook
や PowerBook がいつ発売になるかはわからない。そもそも現状と同じようなラインナップになるかもわからない。パフォーマンス重視の方は、2006年後半にIntelがノートパソコン向け64bit対応プロセッサを出すまで待つのが無難だろう。
従来からの Mac ユーザや、これからの方は、現行機種を購入し、Intel系モデルが安定するだろう数年後に買い換えるという方法も良いのではないかと思われる。
実際の所、ノート型にこだわらなければ、Mac mini や iMac の方が費用対効果が高い場合があるので、自分に必要な機能を考えて最適な機種選びをしよう。