
もし最近運気が停滞しているように感じるのなら、その原因はあなたが無意識に作った「自分らしさ」という思い込みかもしれません。
李家幽竹さんの著書『教養としての風水』では、古代から続く風水学の思想について詳しく解説しています。現代を生きる私たちにとって新鮮な学びとなる一冊です。
今回は本書より一部を抜粋し、風水における「動」の性質について解説します。小さな変化を楽しみながら、運を動かす秘訣を学んでみませんか。
動かなければ、運も動かない
私は、風水において、「動」の気が最も重要なものだと考えています。なぜなら、自分自身が動くことは、自分を取り巻く環境そのものを変えることだからです。
住まいを整えれば、毎日受け取る気が変わる。服を変えれば、自分がまとう気が変わる。食べるものを変えれば、身体の中へ取り込む気が変わる。そして「動」は、自分自身を今いる環境から動かし、それまでとは違う運気の中へ自分を置くという行為なのです。
旅行へ出かける。知らない街を歩く。初めての店へ入る。新しい人に会う。今まで経験したことのないことをしてみる。場所が変われば、そこにある気が変わります。土地が変われば、その土地から受け取る気も変わり、会う人が変われば、その人から受ける気や、入ってくる情報も変わります。
「動」の実践とは、それまで自分の中にはなかった運気と接触することなのです。
「運は変化から生まれる」という考え方の軸
同じ場所にいて、同じ人と会い、同じものを見て、同じことだけを繰り返していれば、同じ環境をただ巡っているだけ。そこに新しい運気が生まれる余地はありません。
もちろん、安定した生活が悪いわけではありません。けれども、今の運を変えたいと思っているのに、自分の行動を何も変えなければ、新しい気と出会うきっかけすら生まれないのです。だからこそ、運を変えたいときほど、自分から動くことが大切です。
皆さんがレジャーとして楽しんでいる旅行も、実は「動」の気を得るためのとても有効な方法です。風水では、旅行を単なる気分転換や娯楽としてはとらえません。普段とは異なる土地へ自分自身を移し、その土地が持つ気を直接受け取ることで、自分を取り巻く環境に大きな変化を起こす風水術だと考えます。
もちろん、旅行ならどこへ行ってもよいというわけではありません。風水のルールに沿って、自分にとってよい方位や、自分が欲しい運気を持つ方位へ出かけることが大切です。
山へ行けば山の気を受け、海へ行けば海の気を受ける。その土地の景色を見て、その土地のものを食べ、そこに暮らす人と接する。そうすることで、日常生活の中では得られないさまざまな気を、自分の中へ取り込むことができるのです。
人が変化することのすべてが「動」
そして、ここで知っていただきたいのは、風水でいう「動」とは、単に身体を動かすことだけではないということです。人が変化すること、そのすべてが「動」なのです。
何かを見て感動し、心が動く。今までとは別の角度から物事を考えてみる。新しい価値観を受け入れる。今までとは違う人と出会い、人間関係を広げていく。さらには、頑固だった人が少し柔軟になったり、反対に、人に流されてばかりだった人が自分の意志を持つようになったりする。
行動、思考、感情、価値観、人間関係、そして自分自身の性質まで、そこに変化が起これば、すべて「動」に分類されるのです。「動」の運気を得るうえで、ここがとても大切です。
たくさんの場所へ出かけても、考え方がまったく変わらず、自分と同じ価値観の人としか付き合わず、新しいものを受け入れなければ、本当の意味で「動いている」とはいえません。身体だけが動いていても、心が同じ場所にとどまっているからです。
反対に、遠くへ出かけなくても、新しい考え方に触れ、「そんな見方もあるのか」と思えた瞬間、そこには「動」という変化が生まれます。昨日まで苦手だと思っていた人を、少し違う角度から見てみる。ずっと「自分はこういう人間だから」と決めつけていた枠を、一つ外してみる。そうしたことも、すべて「動」なのです。
「動かなかったもの」を動かすこと
動くとは、場所を変えることだけではありません。自分の中にある「動かなかったもの」を動かすことでもあるのです。そして、その変化によって新しい気を生じさせる。それが、風水で考える「動」の気なのです。
変化の大きな「遷移期」を生きる今だからこそ、この「動」の気を意識することは、これまで以上に重要です。時代は動いているのに、自分だけが「私はこうだから」「昔からこうしてきたから」と動かない。それでは時代の気との間にズレが生じ、「遷移期」の運気に乗ることはできません。
だからといって、何もかも新しくすればよいということでもありません。変えるべきものは変え、残すべきものは残す。その判断ができる柔軟さを持つ。これが、「動」の気を受け取るために必要な考え方です。
動かなければ、運も動かない。「動」とは、単なる行動ではなく、変化し続ける力そのものなのです。
著者:李家幽竹(風水師)
「大風水師」の称号を持つ日本唯一の風水師。韓国・李王朝の王族の血縁をつなぎ、代々王家のための風水の知識を継承する家系に生まれる。その後継者として3歳で修行を始め、伝統的な風水理念と哲学に、モダンな感性を組み合わせた独自の風水論で、多くの支持を受けている。これまで出版した書籍は300冊以上、累計は1000万部を超え、世界12カ国以上の国で翻訳・出版されている。公式サイト<https://yuchiku.com/>







