ノートパソコンは各機能が一体化されており、多くのデスクトップパソコンのようにビデオカードを取り替えたりすることは不可能だった。しかしビデオチップメーカーで有名なNVIDIA が中心となり新しい規格 MXM を公表した。これによりノートパソコンでもビデオカードを交換できるようになるかも知れない。
● MXMとは
MXMとはMobile PCI Express Moduleの略で、2004年後半からノートパソコンに採用されるようになる新しいバス規格 PCI Express
技術を利用したビデオモジュールだ。この規格に対応したマザーボードとビデオカードを組み合わせれば、ノートパソコンでもデスクトップパソコンの様に、ビデオカードを自由に交換することが出来るようになるわけだ。
この規格を策定したのは、現在低価格ノートパソコンの多くを製造している台湾メーカーとNVIDIA だ。NVIDIAなどが策定した規格だが、ロイヤリティは無く、どのメーカーも自由に対応製品を製造販売できることになっている。
MXMのようにビデオカードのモジュール化は一部のノートパソコンで、従来も可能だったが、対応ビデオカード自体が一般には販売されておらず、事実上交換することは出来なかった。もちろん、それ以外の機種では、ビデオチップはチップセットに内蔵されていたり、マザーボードに搭載されていたので、交換したり、追加で取り付ける事は出来なかった。
数年前のDELL製ビデオカードモジュール
● MXM化によるユーザーのメリットと問題点
ノートパソコンにMXMが搭載されれば、現在メモリ増設とHDD交換くらいしかノートパソコンの高機能化は出来なかったが、ビデオカードの交換も出来るようになる。ビデオカードが交換できるようになれば、3Dゲームなどでビデオカードがネックになり、思うように楽しめなかったのが高くても数万円の出費で楽しめるようになるかも知れない。
ただし、3Dゲームはビデオカードの性能もあるが、メモリやプロセッサ(CPU)、HDDなど総合的な性能も問題になるので、そもそもプロセッサの交換が難しいノートパソコンではそれほど効果を得ることは無いかも知れない。
また、現在よりも高性能なビデオカードに交換すると言うことは、単純に考えて発熱も多くなる。発熱が多くなると言うことは、ノートパソコン自体が熱を持ち排熱ファンが回り続け騒音の問題や、場合によってはハングアップなどが発生する場合もある。ノートパソコンメーカーが当初想定した以上の性能をユーザーが引き出そうとするとデメリットもあるということを知っておかねばならない。
● 関連リンク
ニュースサイト
台湾各社がNVIDIA提唱のMXMを支持、ノートPCのPCI
Express対応加速へ
ITmedia
NVIDIA、ノート用ビデオ拡張インターフェイス「MXM」~ノートPCでGPUの換装が可能に
PC Watch
笠原一輝のユビキタス情報局
ATIのフットプリント互換戦略に対抗するNVIDIAのMXM PC Watch
NVIDIA
NVIDIA and Ten Leading Notebook Manufacturers Launch Consistent Graphics
Interface for PCI Express Notebooks
NVIDIA Announces Broad Industry Support for MXM Interface