老後資金を準備しようと思ったとき、候補の1つになるのが「個人年金保険」です。しかし、55歳から加入する場合、年金を受け取り始めるまでの期間は若い世代より短くなります。「今から加入しても意味があるの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
一方、元本割れせずに資金を運用したいなら、個人向け国債も選択肢になります。今回は、55歳から老後資金を準備するなら、どちらが向いているのか、特徴を比較してみましょう。

個人年金保険の仕組み
個人年金保険は、決められた保険料を払い込み、契約時に定めた年齢から年金を受け取る保険です。例えば、55歳から保険料を払い込み、70歳から年金を受け取るなど、老後に使うお金を計画的に準備できます。保険料は月払い・年払いで支払うタイプのほか、一括で払い込むタイプもあります。商品によって、保険料の払込期間や年金の受取開始年齢、受取期間などが異なります。
●個人年金保険のメリット
個人年金保険は、決められた保険料を支払いながら積み立てていくため、「お金が手元にあると使ってしまい、なかなか貯金できない」という人でも、老後資金を計画的に準備できます。
また、一定の条件を満たす個人年金保険は、生命保険料控除の「個人年金保険料控除」の対象になります。これにより、所得税や住民税の負担を軽減できます。
●個人年金保険のデメリット
個人年金保険は、貯金のように必要なときに自由にお金を引き出せません。もし途中で解約すると、払い込んだ保険料を下回る場合があります。
また、55歳から加入する場合、30代など若い年代から加入する場合に比べて、保険料を払い込む期間が短くなります。そのため、長期間かけて準備する場合と比べると、受け取れる年金額に差が生じます。さらに、年金の受取開始年齢は商品によって異なります。55歳から加入しても、必ず65歳から受け取れるとは限りません。70歳など、受取開始までの期間が長くなる場合があります。契約前に「保険料をいつまで払い、何歳から、いくら受け取るのか」を確認することが大切です。
個人向け国債の仕組み
個人向け国債は、国が発行する債券を個人が購入する商品です。
種類は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3つ。2026年8月募集分の金利は、固定5年が年2.06%、変動10年が年1.87%、固定3年が年1.71%です。
個人向け国債は、満期時の元本の償還と、半年ごとの利子の支払いを国が行います。元本割れがないことが大きな特徴です。また、発行から1年が経過すれば、1万円単位で中途換金できます。その際は、直前2回分の各利子相当額が差し引かれます。
個人年金保険のように、受取開始年齢まで資金を動かしにくい仕組みではなく、必要になったときに取り崩して使えることが個人向け国債のメリットです。
老後資金として活用する場合も、1つの国債にまとめる必要はありません。「5年後に使うお金」「10年後の老後資金」など、使う時期や目的に合わせて、固定3年・固定5年・変動10年などを分けて購入する方法もあります。
個人向け国債を老後資金の置き場所にするなら、「何に使うお金なのか」「いつ使う予定なのか」を先に整理し、その目的に合った種類を選ぶことが大切です。
どちらが老後資金に向いている?
55歳から老後資金を準備する場合、個人年金保険と個人向け国債のどちらが向いているかは、そのお金をいつ、どのように使うかで決まります。
個人年金保険が向いているのは、老後まで使わないお金を計画的に積み立て、将来は年金として受け取りたい人です。
「65歳以降の生活費として毎月受け取りたい」「手元にあると使ってしまうので、老後まで残しておきたい」という人なら、個人年金保険を検討する意味があります。
一方、個人向け国債が向いているのは、老後資金として確保しながら、必要に応じて自分で使いたい人です。
55歳から65歳までの10年間には、家の修繕や親の介護、自分の医療費など、予定していなかった支出が発生する可能性もあります。「老後資金だけれど、途中で使うかもしれない」というお金なら、個人向け国債のほうが扱いやすいでしょう。
いつ使うお金なのか、途中で必要になる可能性はあるのか、老後にどのように受け取りたいのかを考えることが大切です。







