人間関係

「私は浮気を許さない」妊娠中に不倫した夫と即離婚。以来13年、新たに築いた「意外な関係」

「浮気くらい許してやれよ」と周囲に言われても、私は許せなかった――。夫が共通の知人と不倫、娘の生後半年で即離婚した43歳女性。だが、娘の成長を共有する中で夫との意外な関係性が生まれたという。離婚後に築いた「新たな家族関係」とは。※画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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離婚後、紆余曲折を経て築いた今の関係は(画像:PIXTA)
離婚後、紆余曲折を経て築いた今の関係は(画像:PIXTA)

離婚すると、元パートナーの顔も見たくないという人もいれば、案外、悪くない関係が築けるようになったという人もいる。子どもがいる場合、「親同士」としていかにいい関係を作るかが重要になってくるのかもしれない。

夫の浮気で即離婚

「離婚直後はよく言われましたよ。浮気くらい許してやれよって。だけど私は許せなかった。だから離婚を選択しました」

ナオミさん(43歳)はそう言った。30歳のとき、くっついたり別れたりしながら6年も付き合った同い年の彼と妊娠を機に結婚したが、「彼には家庭を作るという気持ちが希薄だった」と振り返る。

「ある意味では分かっていたことだったから、『お金や浮気で苦労させられるのは嫌だからね』と最初からくぎを刺しておいたんです。彼は『子どもができるんだから、いいお父さんになるよう頑張るよ』なんて言ってたくせに、私の妊娠中に学生時代の後輩と浮気。私も知っている人でした。それが分かったのは娘が生まれたあとでした」

浮気相手の後輩が、ナオミさんに直接、「早く別れてくれませんか。私と彼、結婚するんです」とメッセージを送ってきた。それまで怪しいと思いながらも夫をつつこうとしなかったのは、出産後の心身を自ら労り、生まれた娘に集中したかったから。

「いいお父さんにはなれなかったね」

「生後半年くらいたったある日、夫に娘を任せて後輩に会いに行きました。互いに冷静な話し合いができた。私はすでに離婚も考えていましたから。夫と後輩のメッセージのやりとりなどを見せてもらうと、なかなかラブラブなんです。私と夫は友達関係が長かったし、私の性格もあってラブラブな雰囲気はほとんどなかったから、こういうのって男としては心を持っていかれるよねと思わず言っちゃいました」

後輩は「そうなんです」と悪びれた様子もない。恋してるのと尋ねたら、目をキラキラさせて「はい」と言った。

そのまま役所へ行って離婚届をもらい、帰宅するやいなや夫に突きつけた。彼女に会ってきたことを話し、あんなにラブラブなら結婚した方がいいよと進言した。夫は目を丸くしたまま絶句していたという。

「夫が抱いていた娘を私が奪い取って抱きながら、『いいお父さんにはなれなかったね』と言ってやりました。夫は涙目になって言葉もなかった」

それからは忙しかった。離婚届にサインをさせて夫を追い出し、ちょうど空きがでた保育園に娘を預ける手続きをし、会社にかけあって住宅補助をもらうことにして職場復帰。ようやく日常生活に慣れたころ、娘は1歳になっていた。

娘の誕生日に夫を招待

「別れてからも、夫には娘の成長を知らせていました。そのたび夫は『娘に会いたい』『娘のためなら何でもする』と返事をよこした。でもそれには応えなかったんです。私自身に余裕がないから待ってほしかった」

娘の1歳の誕生日に夫を招待した。夫はナオミさんの好きなケーキを予約して買ってきてくれた。娘には洋服、ナオミさんにはきれいなスカーフもプレゼントしてくれた。ナオミさんが一目で気に入るような柄だった。

「彼はセンスがいいんですよね。私の好みを把握してる。そう言ったら、付き合いが長かったからねって。『だったらどうして私が浮気を許さないことを分からなかったのかなあ』と言って二人で笑ってしまいました」

それ以降、夫は積極的に娘に関わるようになった。例の後輩とはその後、破局したらしい。そんな愚痴も聞いてあげたことがある。

娘の入学式、授業参観、運動会、いつでも夫は可能な限り駆けつけてきた。毎月、分かる範囲で出張の予定なども知らせてくる。養育費ももちろん払い続けている。

「互いに恋人ができたら知らせることにもなっています。もし再婚ということになれば、今後、娘の学費などをどうするか話し合うことになっている」

もし離婚していなかったら

この春、娘の小学校の卒業式で、夫は声を出さずに号泣していた。そんな夫を見ながら、「もし一緒に生活していたら、こんなふうにはならなかったかもしれない」とナオミさんは感じたという。

「付き合っている期間が長かったから、恋人はいるけど独身という感覚が私にも強かったのかもしれない。夫婦でいたら浮気も気になるけど、今はどちらも独身でフリーだから、好きなように生きていこうと思っている。夫婦でいること自体が、夫にはつらかったんじゃないでしょうか。そして実際には私自身も、縛られたくない性格だったみたいで、離婚後は本当に気持ちよく生きています」

曇りのない笑顔でそう言うナオミさん。娘も状況をよく理解していて、娘なりに親への意見は持ち合わせているようだ。

「しょうもないところがあるのが人間。お父さんは悪い人ではない。ただ、お母さんはそれを許さなかった。それはお母さんの性格だから仕方がない」

ナオミさんは娘にそう言われたとき、大人だと感動したと笑いながら言った。生きていればいろいろな事情が生じ、いろいろな考え方もある。娘がそれを理解しているのがうれしいそうだ。

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