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佳子さまの海外訪問でも注目。「公私にわたり場を温める」女性皇族が皇室外交で果たす大きな役割

佳子さまの海外公式訪問がたびたび話題となりますが、皇族方は国際親善の重要な役割を担っています。各国王室との長年の交流や世代を超えて受け継がれる信頼関係から、日本の「皇室外交」が果たしてきた役割を読み解きます。(画像:工藤 直通/アフロ)

All About 編集部

【天皇誕生日一般参賀】並んで手を振られる愛子さまと佳子さま(画像:工藤 直通/アフロ)
【天皇誕生日一般参賀】並んで手を振られる愛子さまと佳子さま(画像:工藤 直通/アフロ)

佳子さまの海外公式訪問が注目を集めるたび、その背景にある「皇室外交」の役割にも関心が集まります。

皇族方の外国訪問は単なる儀礼ではなく、日本と各国との友好関係を深める大切な活動です。秋篠宮家をはじめとする皇族方は、長年にわたり各国王室との信頼関係を築いてきました。

この記事では、『教養として学んでおきたい日本の皇室』(西川恵・著/マイナビ出版)より一部を抜粋・編集し、その知られざる舞台裏を読み解きます。

目次

秋篠宮家が担う国際親善の最前線

皇族方は外国訪問も結構入ります。ご高齢の方は別にして、国内のお務めの合間をぬってフル稼働という状態です。

秋篠宮家では、天皇即位(2019年5月)の翌6月、秋篠宮さまと紀子さまご夫妻がポーランド、フィンランドとの国交樹立100周年の節目に、両国を国際親善のためにご訪問。8月にはご夫妻は悠仁さまとともにブータンを訪問されました。

悠仁さまは初の外国旅行でした。

長女の眞子さまは同年7月、日本人移住120周年でペルーとボリビアに。次女の佳子さまは初の外国訪問として9月、日本との友好と外交関係樹立150年を迎えたオーストリアとハンガリーを公式訪問され、両国の大統領を表敬し、在留邦人や留学生とも交流されました。

秋篠宮家挙げての友好親善活動です。天皇、皇后両陛下は簡単には外国訪問ができず、その分、 皇嗣の秋篠宮とご家族が担うことになったのです。

皇族方が世界各国と築いてきた信頼関係

皇族方は特定の国や地域と絆を維持し、何かの折にはご招待があり、また相手方が来日したときは、お相手をするということも少なくありません。

例えば高円宮久子さまはスウェーデンと太い関係があります。2013年にマデレーン王女の結婚式、2015年にはカール・フィリップ王子の結婚式、2016年にはカール16世グスタフ国王の70歳を祝う行事に参列するため、それぞれ訪問されました。

2019年5月にはシルビア王妃の招待を受け、同国で開かれた「認知症フォーラム」にご臨席のため私的に訪れています。また2018年にカール16世グスタフ国王夫妻が公式実務訪問で来日したときは、国内のご訪問に久子さまが同行して、ご案内されました。

秋篠宮家の眞子さまは日系人の多い中南米との繋がりがあります。2015年に初の海外公式訪問としてエルサルバドルとホンジュラスを、2016年にはパラグアイ政府の招待で、日本人移住80周年記念式典に出席されました。

2018年にはブラジルを訪問し、日本人移住110周年式典にご臨席。そして先に触れたように、元号が変わった2019年の7月には日本人移住120周年でペルーとボリビアを訪問されました。

今上天皇が中東の国々と関係が深いのは、雅子皇后とのご結婚後、最初にご夫妻でご訪問されたのが中東諸国だったという縁からです。

その後、サウジアラビア王室の王族が亡くなると、多くの場合、皇太子だった今上天皇が弔問に訪れています。ヨルダンのフセイン国王の葬儀(1999年)のときは皇太子と雅子さまが参列されました。

世代を超えて続く「家族ぐるみ」の交流

20世紀初頭、世界には約100の君主国がありました。これが革命や政変などによって減りつづけ、現在は28カ国になりました。皇室は欧州の王室やタイ王室などと、戦争での中断はあったものの、戦前から交流をつづけてきました。

この交流を特徴づけるものは「家族ぐるみ」であることです。「家族ぐるみ」ということは、世代を超えた行き来があり、その関係が親から子へ、子から孫へと引き継がれていくことになります。一定期間だけ選挙で選ばれ、任期が来ればその地位を去る大統領の共和制の国と違うところです。

今上天皇も英国に留学していた若き日、休暇などを利用して欧州各国を旅行し、王室がある国に立ち寄れば、そこの王族から手厚いもてなしを受けました。これについて皇太子時代に書いた『テムズとともに』の中でこう明かしています。

「(85年に)両親がノルウェーを訪問する際、先方の国王陛下のご配慮でノルウェーのベルゲンで久々に両親と再会し、向こうの皇太子ご夫妻(現国王王妃両殿下)とご一緒に船でフィヨルドを遡上し、船内に一泊したのも忘れられない。ノルウェーの両殿下の温かいもてなしぶりには、私も心の安らぎを覚えたし、ベルギー同様、皇室とノルウェー王室の結びつきの強さに改めて感銘を覚えた」

そしてオランダ、スペイン、ルクセンブルグ、リヒテンシュタインの王室で受けたもてなしに触れたあと、こう書いています。

「ヨーロッパの王族の方々からこのような温かいおもてなしを受けるたびに、私の両親が長年かけて築き上げてきた友情によるものであることを常に認識し、その恩恵を受けている自分が幸せだと思ったし、このような交際を次の世代にも継続していく必要性を強く感じた」

こうした王室との家族ぐるみの交流に、皇族方はさまざまにかかわり、貢献されているのです。

儀式やお務めで女性皇族が果たしている役割は大変大きいものがあります。上皇は天皇だった2005年の誕生日の記者会見でこう述べています。

「(その役割は)有形無形に大きいものがあったのではないかと思います」「女性皇族の存在は、実質的な仕事に加え、公的な場においても私的な場においても、その場の空気に優しさと温かさを与え、人々の善意や勇気に働きかけるという、非常に良い要素を含んでいると感じています」

この書籍の著者:西川 恵 プロフィール
1947(昭和22)年長崎県生まれ。71年毎日新聞社入社。テヘラン、パリ、ローマの各支局、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。仏国家功労勲章シュヴァリエ受章。『エリゼ宮の食卓』(新潮社)でサントリー学芸賞。『ワインと外交』(同)、『知られざる皇室外交』(KADOKAWA)など著書多数。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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