潤沢な湯量を誇る掛け流し天然温泉
もともと湯田中温泉は、天智天皇(668~671)の時代に、僧智由により発見と伝えられている歴史と由緒のある温泉です。「よろづや」は、その発祥の元湯「大湯」に隣接するという好位置のある旅館です。湯田中渋温泉郷は、全国でも有数の源泉数と湧出量の多い温泉郷なのですが、中でも「よろづや」の湧出量は毎分253リットルという潤沢さで、ずば抜けています。
「よろづや」には、広い大湯殿と野天風呂付きの「桃山風呂」と「東雲(しののめ)風呂」の二式 の温泉風呂があり、夜の9時半で男女を交代して利用出来る仕組みになっています。そのほかに有料ですが、これも20名同時入浴可能だという貸切の「黄鶴(こうかく)風呂」もあります。フロントで鍵を借りれば、前にある外湯「大湯」が無料で使えます。
どの風呂も、毎日 9:30~14:00 の四時間半かけて、湯を抜き、清掃し、湯を注ぐという徹底ぶりです。塩素などで殺菌していない天然の温泉ですから、贅沢の極みとはこのことでは無いでしょうか。
そこでここでは、純木造伽藍建築で、日本の大浴場ベスト10にも選出され、これも国の登録有形文化財指定の自慢の「桃山風呂」と、あわせて信州でも屈指の規模を誇る「庭園式大野天風呂」を紹介しましょう。
純木造伽藍建築で、日本の大浴場ベスト10にも選出された名物「桃山風呂」 |
扉をあけると、先ず中央に大きな楕円形の風呂が目に入ります。湯煙があがっている奥の湯口から注ぎ込まれる湯は、豊かで掛け流し。浴場の天井は高く、窓から差し込む陽の光で明るく、その特大の広さに驚かされます。入浴するとゆったりとした心地よさを感じます。
庭園大野天風呂 前は寺院風の屋根を持つ桃山風呂 |
春は新緑、夏は涼しげな深緑、秋は赤いもみじの紅葉も楽しめ、冬は雪見風呂と四季通して折々の風情は、格別のものがあります。
桃山風呂と大野天風呂は、今では昼と夜の部は、午後9時半まではご婦人客専用です。 数年前、我々が宿泊した頃は、昼から夜11時まで殿方専用でした。宿に到着した時は夜でしたから、入浴した時には、もう暗く庭園の景色の良さも殆ど分からずじまいで、後日渋温泉に泊まった翌朝に電話で予約し、日帰りで入浴で昼間入り直し、この広さを一人で堪能させて頂きました。
今では、殿方は日帰り入浴は「しののめ風呂」で、「桃山風呂」には日帰り入浴では入れません(ご婦人の日帰り入浴は「桃山風呂」です)。桃山風呂に入りたい殿方は、宿泊しないとその豪華さは実感出来ません。 。
この名物風呂は、今では西洋式のレディファースト!女性客優先、女性客歓迎の風呂になっているというわけです。
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・制作:04/10/28・更新:04/11/10
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