長野の観光・旅行/長野の温泉

湯田中温泉・老舗の旅館「よろづや」 桃山風呂・大野天風呂の贅に浸る(2ページ目)

北信濃で指折りの老舗旅館です。掛け流しの天然風呂は潤沢な湯量を誇ります。特に自慢の造伽藍建築の大浴殿「桃山風呂」と信州屈指の庭園大野天風呂は一度は体験してみたい温泉です。

執筆者:森 俊二

潤沢な湯量を誇る掛け流し天然温泉

もともと湯田中温泉は、天智天皇(668~671)の時代に、僧智由により発見と伝えられている歴史と由緒のある温泉です。「よろづや」は、その発祥の元湯「大湯」に隣接するという好位置のある旅館です。

湯田中渋温泉郷は、全国でも有数の源泉数と湧出量の多い温泉郷なのですが、中でも「よろづや」の湧出量は毎分253リットルという潤沢さで、ずば抜けています。

「よろづや」には、広い大湯殿と野天風呂付きの「桃山風呂」と「東雲(しののめ)風呂」の二式 の温泉風呂があり、夜の9時半で男女を交代して利用出来る仕組みになっています。そのほかに有料ですが、これも20名同時入浴可能だという貸切の「黄鶴(こうかく)風呂」もあります。フロントで鍵を借りれば、前にある外湯「大湯」が無料で使えます。

どの風呂も、毎日 9:30~14:00 の四時間半かけて、湯を抜き、清掃し、湯を注ぐという徹底ぶりです。塩素などで殺菌していない天然の温泉ですから、贅沢の極みとはこのことでは無いでしょうか。

そこでここでは、純木造伽藍建築で、日本の大浴場ベスト10にも選出され、これも国の登録有形文化財指定の自慢の「桃山風呂」と、あわせて信州でも屈指の規模を誇る「庭園式大野天風呂」を紹介しましょう。

純木造伽藍建築で、日本の大浴場ベスト10にも選出された名物「桃山風呂」
見事な雉の彫刻の欄間があり、磨き抜かれた床のある脱衣室で浴衣を脱ぎ、 佐久間象山の「洒心」(さいしん)の額が掲げられている浴室への入口に向かいましょう。

扉をあけると、先ず中央に大きな楕円形の風呂が目に入ります。湯煙があがっている奥の湯口から注ぎ込まれる湯は、豊かで掛け流し。浴場の天井は高く、窓から差し込む陽の光で明るく、その特大の広さに驚かされます。入浴するとゆったりとした心地よさを感じます。

庭園大野天風呂
前は寺院風の屋根を持つ桃山風呂
桃山風呂の左手前の外は、池のまわりに名木を植え、灯籠や橋など石造りの造形を配し巨石も使った日本式庭園になっています。なんとこの大きな池は、全部まるまる温泉!音をたてて流れ落ちる滝も温泉!これが名物の大野天風呂と呼ぶ大池なのです。

春は新緑、夏は涼しげな深緑、秋は赤いもみじの紅葉も楽しめ、冬は雪見風呂と四季通して折々の風情は、格別のものがあります。

桃山風呂と大野天風呂は、今では昼と夜の部は、午後9時半まではご婦人客専用です。 数年前、我々が宿泊した頃は、昼から夜11時まで殿方専用でした。宿に到着した時は夜でしたから、入浴した時には、もう暗く庭園の景色の良さも殆ど分からずじまいで、後日渋温泉に泊まった翌朝に電話で予約し、日帰りで入浴で昼間入り直し、この広さを一人で堪能させて頂きました。

今では、殿方は日帰り入浴は「しののめ風呂」で、「桃山風呂」には日帰り入浴では入れません(ご婦人の日帰り入浴は「桃山風呂」です)。桃山風呂に入りたい殿方は、宿泊しないとその豪華さは実感出来ません。 。

この名物風呂は、今では西洋式のレディファースト!女性客優先、女性客歓迎の風呂になっているというわけです。





湯滝


石灯籠・石橋


紅葉風呂




雪見風呂


・制作:04/10/28・更新:04/11/10
<<前へ 1 / 2 / 3 次へ>>
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます