人間関係

「うるさい!」鉄オタ夫が10歳息子にガチギレ……。 子どもすぎる理由にドン引きの妻

鉄道が大好きな夫と10歳の息子。あちこちの鉄道に一緒に乗りに行き仲よくしていたのだが、ここ数年で息子の知識が夫を超えると夫の態度がおかしくなり……。「子どもと同じ目線」なのはいいが、10歳より幼い夫に妻は困惑している。※サムネイル画像:PIXTA

亀山 早苗

亀山 早苗

恋愛 ガイド

どうして男女は愛し合うのか、どうして憎み合うのか。出会わなくていい人と出会ってしまい、うまくいきたい人とうまくいかない……。独身同士の恋愛、結婚、婚外恋愛など、日々、取材を重ねつつ男女関係のことを記事や本に書きつづっている。

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鉄道好きな夫と息子、仲がよかったはずが……(画像:PIXTA)
鉄道好きな夫と息子、仲がよかったはずが……(画像:PIXTA)

子どもを育てていると、つい何度も同じことを言ったり、言うことを聞かない子にいらだったりするものだ。それでも子どもが日々成長していくと、それまでの苦労はすっかり忘れてしまうのが親というもの。

「コミュニケーションがとれるようになると、どんなに聞き分けがないと思っても、子どもなりの理屈があることが分かってくる。同じ目線に立ってみると、子どもの主張も分からなくもない。それが面白かった」と子育てを振り返る人もいる。子どもと同じ目線になるのは悪くはない。だが、父親が子どもとのやりとりで本気でキレるのはよろしくないと訴える妻たちは少なくない。

仲よく遊んでいたのに

「息子は、夫の影響で幼いときから鉄道が大好き。いわゆる鉄オタ、それも乗り鉄なんですよ。夫は息子が4歳くらいのときから、週末になるとあちこちの鉄道に一緒に乗っていました。2歳下の娘がいるので、私は娘とのんびりできてよかったんですけどね」

ユウミさん(40歳)は笑いながらそう言った。現在、息子は10歳になった。ここ数年で、鉄道の知識は夫を超えた。最初は「すごいなあ」と言っていた夫だが、なぜか息子に対抗意識を燃やしたのか、自分でもあれこれ調べたりしていたようだ。

「あるとき息子が、ちょっとした勘違いをしたようなんです。鉄道の名前を間違えたかなんかしたんでしょう。すると夫は『おまえはそんなことも知らないのか』と小バカにしたように笑った。息子はかなり傷ついたみたいですね。あとから私のそばに来て、『あの言い方はどうよ』って。10歳だけど妙に客観的なところがある子だから、理屈に合わないことは私も言えない。『あなたのことをライバル視してるみたいだったね』と言うと、『でしょ? お父さんのああいうところは直した方がいいと思うんだよ』って。どちらが子どもか分かりません」

10歳の息子に恩を着せる夫

運が悪いことに、夫はたまたまそのやりとりを耳にしていたようだ。リビングにどすんどすんと入ってくると、「おまえがこんなに鉄道に乗れたのはオレが連れて行ったからだ」と息巻いた。

「子ども相手に何キレてるのと思わず言ってしまいました。そんなところで10歳の子に恩を着せるなんておかしいよと私が言うと、夫はハッとしたような顔をして踵(きびす)を返しましたが、一瞬、本気でキレたんだと思います」

情けないと思ったとユウミさんは言う。親子で同じ趣味をもつのは楽しいことなのに、息子をライバル視して、しかも上から目線で圧をかけるのは父親としてあるまじきことだと、翌日になって夫に説教してしまった。夫は「分かった」と静かに言った。

ゲームで熱くなって

それからしばらくは夫も親目線で息子と相対していたのだが、つい最近、二人で鉄道ゲームをやっていたとき、夫がまたキレた。

「状況はよく分からないんですが、息子によれば夫が卑怯な手を使ったと。それはダメだよと言ったら、『いいんだよ、オレがやるのはいいの』と続けたらしいんです。お父さんがそういうことをするなら、僕はもうお父さんとゲームはしないと息子は冷静に言って自室に去っていきました」

謝るなら今だよと、ユウミさんは夫に言った。夫は「息子に謝れるか」とムキになっていたという。それきり二人は一緒にゲームをしていないようだ。

「息子に聞いたら、ルールを守らないのが嫌なんだ、ルールを守るからゲームは楽しいのにって。まっとうですね、夫よりずっと」

一方の夫は何かがむしゃくしゃするらしく、このところ機嫌が悪い。かと思うとあからさまに娘にばかり話しかける。息子は冷静なタイプだから知らん顔しているが、内心、どう思っているのかは分からない。

親という立場を忘れてはいけない

「いいかげんにしなさいよと数日前にも夫に言ったところです。そもそも悪いのは誰なの、あなたと息子はどういう立場なの、と。私は息子が正しいと思うよ、そう導くのは本来、あなたの役目でしょうと言うと、『うるさい』と怒鳴られました。私にもそういう態度をとるんだ、分かったと言ったら、『ごめん』としょげていましたけど」

そもそも親と子は友達ではない。あくまでも親子なのだ。同じ趣味をもってもいいが、子どもが成人するまでは親という立場を忘れてはいけないとユウミさんは思っている。

「エラそうにしろという意味ではなく、フレンドリーにふるまいながらも、親という立場を忘れるなという意味なんですけどね。夫は親という立場はエラそうにしていいと勘違いしているのかも。やっていることと言っていることは10歳より幼いんですが」

負うた子に教えられて浅瀬を渡るということわざもある。子どもから教えられることもあるだろう。素直に受け止めることくらいできるはずなのにとユウミさんは困惑していた。

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