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Q.「偏差値60です!」と言っても日本人にしか通じないって本当ですか?【数学科の先生が回答】

受験やテストでおなじみの「偏差値」。単なる点数とは違い、集団の中での立ち位置を公平に示すこの数字に、意外な事実があることを知っていますか? ※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

偏差値の仕組み、ちゃんと知ってた? ※サムネイル画像:PIXTA
偏差値の仕組み、ちゃんと知ってた? ※画像:PIXTA

「今回の模試は偏差値が上がった!」「志望校の偏差値に届かない……」。日本人なら小学生でも知ってる頻出ワードですが、「偏差値とは何か?」を詳しく説明できる人は意外と少ないはず。

今回は、身近な話題から「数」の不思議を体感できる『数字がわかれば世界がわかる! すごすぎる数の図鑑』(渡邉 究著)より、「偏差値」に関する意外な事実をご紹介します。

Q.「偏差値60」は海外では通じない?

日本人なら知らない人はいないぐらい有名な「偏差値」というワードですが、「私の偏差値は60です!」と言っても海外では通じないと聞きました。本当でしょうか?

A.「偏差値」は海外では使用されない

1950年代に、東京都の中学校教員だった桑田昭三氏が偏差値を進路指導に取り入れました。その後、模擬試験などを通して全国に広まりました。「偏差値60!」という言い方は、日本以外ではあまり一般的ではありません。

偏差値とは、テストの点数が全体の中でどのくらいの位置にあるかを表す数字です。単に点数だけでなく、みんなの成績と比べて自分がどのくらい上か下かを知るのに使います(ここでは、「平均との差の近くの人数が一番多く、得点の分布が左右対称である『正規分布』の場合に限って考えます)。

偏差値の基準は「50」。平均点と同じ点数であれば偏差値は50です。偏差値が60なら上位約16%、70なら上位約2%に入ります。つまり、偏差値が高いほど同じテストを受けた人の中で成績が上位にあるということです。

たとえば、テストの平均点が70点で、自分が80点なら偏差値は50より上に、逆に60点なら50より下になります。偏差値を使うと、テストの難しさに関係なく成績を公平に比べることができます。

ただし、偏差値はあくまで集団の中での位置を示す目安にすぎません。大切なのは、自分が少しずつ成長することです。数字にこだわりすぎず、自分のペースで学んでいきましょう。
 

渡邉 究(わたなべ・きわむ)プロフィール
中央大学理工学部数学科 准教授。専門は代数幾何学。1984年、横浜市生まれ。2010年、早稲田大学大学院基幹理工学研究科博士課程(数学応用数理専攻)修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員として早稲田大学および東京大学で研究に従事した後、埼玉大学理工学研究科助教を経て、2020年より現職。2018年度日本数学会賞建部賢弘賞特別賞を受賞。大学では代数学に関する講義を担当する一方、XやYouTubeなどのSNSを通じて、大学数学や研究生活を積極的に発信。数学の魅力を広く伝えることを目指している。

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