この記事では、自分がどのケースに当てはまるかを判断できるよう、確定申告の要否を見極めるポイントを整理します。
年金と給与がある人は申告が必要になりやすい
年金を受け取りながら働いている人の中には、「パート先で年末調整をしているから大丈夫」「年金はそれほど多くないし……」と考える方も多いかもしれません。ただし、パート先などの年末調整は給与分だけを対象にした手続きです。年金は「雑所得(公的年金等)」として扱われ、給与所得とは別に計算されます。
年金と給与の両方がある場合は、確定申告が必要かどうかを一度整理しておくと安心です。
確定申告が不要になる2つの条件
年金とパート収入の両方がある場合、確定申告が必要かどうかは、次の2つの軸で判断します。・公的年金等の収入が400万円以下
・年金以外の所得が20万円以下
この2つを満たす場合、確定申告不要制度を適用できます。
●確定申告不要制度とは
公的年金等を受け取っている人が、一定の要件(前出の2つの要件)を満たす場合に、所得税の確定申告を省略できる仕組みです。年金収入が中心の場合、手続きを簡素化するために設けられています。
なお、ここでいう公的年金等には、老齢基礎年金、老齢厚生年金、共済年金、企業年金連合会の年金、確定給付企業年金などが含まれます。まずは、これらが400万円以内であることが前提となります。
年金収入400万円以下の人の判断ポイント
ここからは、公的年金等の収入が400万円以下の人が、確定申告をする必要があるか、または確定申告をするほうが有利になるかをチェックしていきましょう。代表的な3つのケースで紹介します。
ケース1:年金以外の所得が20万円を超える場合
要件の1つにある通り、パートやアルバイトなどで得た給与や、原稿料などの雑所得がある場合、それらの年間所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。
ここで注意したいのは、パート先などから受け取った金額そのまま(収入)ではなく、給与所得控除を差し引いた後の「所得」で見る点です。
また、源泉徴収票や支払調書が複数ある人は、合算して計算する必要があるので注意しましょう。
ケース2:控除を申告すれば還付が見込める場合
確定申告不要制度は、申告しなくてもよい仕組みであり、「申告してはいけない」という意味ではありません。控除を申告して税金が戻る場合などは、確定申告をしたほうが有利になるケースもあります。
「医療費控除」や「ふるさと納税」「生命保険料控除」「社会保険料控除」などを申告すれば、税金が戻るケースもあります。この場合は、確定申告をしたほうが有利です。
ケース3:扶養控除の申告に誤りがある場合
扶養控除や配偶者控除の申告書は、年金か給与のどちらか一方にしか提出できません。
しかし実際には、年金側にも給与側にも提出してしまうケースや、どちらにも提出していないケースが少なくなく、控除が重複したり全く入らなかったりします。この場合は確定申告での調整が必要になります。
夫婦ともに年金を受給している場合の注意点
なお、夫婦ともに年金を受給している場合、夫婦どちらが控除を使うかによって、世帯全体の税額が変わることがあります。医療費控除や社会保険料控除、扶養控除などは、所得が多い人にまとめて付けたほうが、控除の効果が大きくなるケースが多いです。夫婦それぞれが「自分の分」と思って控除を分けてしまうと、控除を十分に活かせなかったり、控除の申告漏れが起きたりすることもあります。
控除をどちらに付けるのが有利か、一度整理して確認することが大切です。
制度を知って、落ち着いて判断しよう
65歳以上で働く人の中には年間の給与所得が20万円を超えたり、源泉徴収票が複数になったりすることもあるでしょう。まずは、年金の収入額、年金以外の所得、控除の申告状況を整理し、自分がどの条件に当てはまるのかを確認しておきましょう。収入と控除の状況を確認し、早めに準備することが大切です。







