こうした金利が上昇傾向にある時期は、5年や10年といった長期定期に資金を固定するのではなく、あえて1カ月・3カ月・6カ月など短い期間の定期預金を選び、満期を迎えるたびに、その時点で有利な預け先へ変更してみるのも方法の1つです。
短期で満期を迎える定期預金を狙うことで、金利上昇と家計とをうまく絡み合わせることができます。今回は、短期で満期を迎える定期預金を活用するメリットと、注意点について整理します。
なぜ今、あえて「短期」なのか? 3つのメリット
金利が右肩上がりのこの時期、短期で満期となる定期預金をおすすめする理由としては、次の3つが挙げられます。●メリット1:次の金利上昇を逃さない機動力がある
定期預金は、預け入れ時の金利が満期まで固定されるのが一般的です。
例えば5年や10年など長期の定期に預け入れた場合、金利がさらに上がったとしても、満期までの長い間、預け入れ時の金利で固定されてしまいます。
一方、1カ月・3カ月・6カ月など短期であれば、そう待たずに満期を迎えるため、その都度、より高い金利の預け先を選ぶことができます。
●メリット2:中途解約で利息が損なわれる心配がない
定期預金の金利が普通預金よりも高く設定されているのは、一定の期間動かさないことを約束するため。その分、途中で解約すると「中途解約利率」が適用され、せっかくの高金利でも利息が大幅に削られてしまうことに……。
しかし、短期の定期預金なら、すぐに満期が来ます。解約のリスクを抑えつつ現金の流動性を保てます。
●メリット3:短期で満期を迎える定期預金ならではの選べる楽しみがある
ネット銀行では、新規口座開設者向けの特典に加えて、期間限定で高金利キャンペーンを展開することも多く見られます。
例えば、「夏のボーナスシーズン」や「年始の特別企画」「開業記念」「募集総額限定」など、テーマごとにお得な定期預金が登場します。
短期で満期を迎える定期預金であれば、こうしたタイミングを逃さずに、次々と有利な商品に乗り換えることが可能になります。
短期で満期を迎える好金利の定期預金があるネット銀行はどこ?
短期間だけの定期預金で、まず活用したいのが各行の「新規口座開設特典」です。2026年1月現在、特に注目したい3つの商品をご紹介します(2026年1月7日時点)。●SBJ銀行:はじめての定期預金〈はじめくん〉
「銀行は金利だ!」というキャッチフレーズ通り、常に高い水準を維持しているSBJ銀行の新規特典です。
期間:6カ月
金利:年0.90%
特徴:半年間という期間は、次の預け先をじっくり検討するのにちょうどよい長さです。500万円という預入上限も個人の資産運用には十分な規模でしょう。
参照:銀行は金利だ!はじめての定期預金〈はじめくん〉|SBJ銀行
●auじぶん銀行:デビュー応援定期預金
新規に口座を開設した方を対象とした、3カ月という短期間で効率よく運用できる商品です。
期間:3カ月
金利:年1.20%
特徴:1万円から預け入れが可能で、上限も1億円までと幅広く、まとまった資金の移動先としても適しています。
参照:デビュー応援定期預金|auじぶん銀行
●イオン銀行:【新規口座開設特典】定期預金
1カ月という超短期ながら、驚くほどの数字を提示しているのがイオン銀行です。
期間:1カ月
金利:年3.00%
特徴:200万円までの上限はありますが、1カ月という短期間で「まずは金利を受け取る体験」をするにはぴったりの商品です。
参照:【新規口座開設特典】定期預金|キャンペーン|イオン銀行
なお、各商品には適用条件があります。詳しくは公式Webサイトをご確認ください。
短期定期を利用する際の「利息」の注意点
短期の好金利定期預金は魅力的ですが、受け取る利息については正しく理解しておく必要があります。というのも、定期預金の案内で示される金利は、全て「年利(1年間預けた場合の利率)」だからです。預け入れる期間が1年より短い場合は、その期間分(月割り)で計算されます。
例えば、100万円を年利1%で1年満期であれば利息は約1万円(税引き前)ですが、1カ月・3カ月・6カ月満期の場合は、以下のように変わります。
・1カ月満期の利息:約821円(税引き前)
・3カ月満期の利息:約2465円(税引き前)
・6カ月満期の利息:約5000円(税引き前)
さらに、上記の利息からは、一律で20.315%の税金も差し引かれます。
先にご紹介した「年3.0%」といった金利はインパクトがありますが、1カ月だけの適用であれば、実質的な利息の受取額は「1年分の12分の1」から、さらに税金が引かれた金額になります。
「思っていたより少ない」とがっかりしないためにも、高い金利の数字だけに目を奪われず、「1回の満期で実際にいくら受け取れるのか」を冷静にシミュレーションしておくことが大切です。
資産の一部から始める「フットワークの軽い運用」
金利が動き始めている今のような時期は、全ての資金を長期で固定してしまうよりも、より高い金利の定期預金を選択肢に入れてみるのも1つの方法です。もちろん、管理の手間もありますので「動かしたくない資金」は今のままじっくり構えておき、「動かしやすい一部の資金」だけ、フットワークを軽くして使い分けてみてはいかがでしょうか。
1カ月、3カ月、あるいは6カ月――短いサイクルで満期を迎える定期預金を資産の一部に取り入れ、満期のたびに「今の金利はどうなっているかな?」と世の中の水準を確認する。
定期預金だけで資産が劇的に増えるわけではありませんが、こうした「定期的な見直し」を習慣にすることは、今の時代の経済を知るきっかけになるはずです。








