暮らしのマナー

実は“マナー違反”になってしまう。焼き鳥を「串から外して食べる」のは避けたい理由【専門家が解説】

年末よく食べる焼き鳥などの串もの。お酒との相性もよくおいしい串ものですが、その食べ方のマナーはたびたび議論の的になりがちです。「箸を使って串から外す」のはマナー違反なのでしょうか。マナーの専門家である筆者が解説します。※画像:PIXTA

諏内 えみ

諏内 えみ

暮らしのマナー ガイド

「マナースクールEMI SUNAI」「親子・お受験作法教室 」代表。 大ベストセラー「『育ちがいい人』だけが知っていること」著者。「世界一受けたい授業」「ぐるナイ」「ホンマでっか!?TV」「王様のブランチ」等テレビ出演多数。 映画やドラマで女優のエレガント所作指導にも定評。

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焼き鳥を“串から外して食べる”のは避けたい理由とは ※画像:PIXTA

焼き鳥を“串から外して食べる”のは避けたい理由とは ※画像:PIXTA

12月は忘年会で焼き鳥や串揚げなど、串ものを食べる機会が多い季節。おいしい串ものですが、「手元に近くなったら箸を使って串から外す」という食べ方はしばしば議論の的になりがちです。

串ものの理想的な食べ方について、All About 暮らしのマナーガイドの諏内えみが解説します。

Q. 焼き鳥など串ものの食べ方が気になります……

【今回のお悩み】
忘年会などで上司や取引先の方と食事をする機会があるのですが、もしも焼き鳥など串ものが出てきたときに、どのように食べるのがマナーなのか気になっています。手元に近くなってきたら、箸を使って串から外す人を見かけますが、それはマナー違反だとも聞いたことがあります。理想的な食べ方を教えてください。

A. 串から外す食べ方はおすすめしません

串ものは「串のまま食べる」が最も美しく敬意ある所作です。

12月の忘年会では、焼き鳥や串揚げなどの串ものが登場する機会が増えます。その際、「箸で外すほうが上品?」と迷う人も多いでしょう。しかし筆者は、串から外す食べ方はおすすめしません。

串ものは、1本の串の上で焼き加減・味付け・食べ進める順序まで計算された料理。それを最初から、あるいは途中で外してしまうのは、職人の仕事へのリスペクトを欠く所作と考えます。何より、串から外された焼き鳥は見た目も味も格段に落ち、本来の魅力を損なってしまいます。

筆者が提案する食べ方は、まず串の上部分2~3個はそのまま串ごと、その後、下の部分はお箸で具材を串先へずらし、同様に串ごといただきます。これなら串もの本来のおいしさを損なわず、所作も美しく保てます。

そのため、串から外してからお箸で食べる、もしくは、取り分け用として全て外してしまうことは、ぜひ避けていただきたい行為です。串から外された瞬間に温度が下がり、うまみも逃げます。善意のつもりが、実はありがた迷惑な結果になってしまうのです。

串ものは串のままいただくのが醍醐味(だいごみ)。マナーとは、おいしさへの配慮と作り手への敬意を兼ね備えた知性であり、その判断力こそ「育ちがいい人Ⓡ」が自然に身に付けている品格です。

※「育ちがいい人Ⓡ」は諏内えみ代表 株式会社ライビウムの登録商標です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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