串ものの理想的な食べ方について、All About 暮らしのマナーガイドの諏内えみが解説します。
Q. 焼き鳥など串ものの食べ方が気になります……
【今回のお悩み】忘年会などで上司や取引先の方と食事をする機会があるのですが、もしも焼き鳥など串ものが出てきたときに、どのように食べるのがマナーなのか気になっています。手元に近くなってきたら、箸を使って串から外す人を見かけますが、それはマナー違反だとも聞いたことがあります。理想的な食べ方を教えてください。
A. 串から外す食べ方はおすすめしません
串ものは「串のまま食べる」が最も美しく敬意ある所作です。12月の忘年会では、焼き鳥や串揚げなどの串ものが登場する機会が増えます。その際、「箸で外すほうが上品?」と迷う人も多いでしょう。しかし筆者は、串から外す食べ方はおすすめしません。
串ものは、1本の串の上で焼き加減・味付け・食べ進める順序まで計算された料理。それを最初から、あるいは途中で外してしまうのは、職人の仕事へのリスペクトを欠く所作と考えます。何より、串から外された焼き鳥は見た目も味も格段に落ち、本来の魅力を損なってしまいます。
筆者が提案する食べ方は、まず串の上部分2~3個はそのまま串ごと、その後、下の部分はお箸で具材を串先へずらし、同様に串ごといただきます。これなら串もの本来のおいしさを損なわず、所作も美しく保てます。
そのため、串から外してからお箸で食べる、もしくは、取り分け用として全て外してしまうことは、ぜひ避けていただきたい行為です。串から外された瞬間に温度が下がり、うまみも逃げます。善意のつもりが、実はありがた迷惑な結果になってしまうのです。
串ものは串のままいただくのが醍醐味(だいごみ)。マナーとは、おいしさへの配慮と作り手への敬意を兼ね備えた知性であり、その判断力こそ「育ちがいい人Ⓡ」が自然に身に付けている品格です。
※「育ちがいい人Ⓡ」は諏内えみ代表 株式会社ライビウムの登録商標です。








