医療情報・ニュース

Q. 「こたつは、やけどや死亡リスクがあって危険」って本当?

【医師が回答】こたつは安全性の高い暖房器具の1つですが、注意した方がいい点もあります。分かりやすく解説します。(※画像:amanaimages)

清益 功浩

清益 功浩

家庭の医学 ガイド

医師

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。診察室外で多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。

...続きを読む

Q. 「こたつは、やけどや死亡リスクがあって危険」って本当?

こたつで寝ても大丈夫?

こたつで寝ても大丈夫?

Q. 「寒い季節になると毎晩こたつでうとうとしてしまいます。『こたつで寝ていて死んだ人がいる』『深い低温やけどにつながるから危険』と聞いて、少し不安です。本当にこたつは危険なのでしょうか? 注意すべき点があれば教えてください」

A. 過度な心配は不要です。いくつかのリスクに注意しましょう

死亡例や低温やけどなどの事故の話を耳にすると、不安になってしまうと思います。しかし、過度に心配する必要はありません。入浴中に心筋梗塞が起きるリスクと同じく、こたつで温まっているタイミングで急変が起こることはありえますが、基本的にはこたつは安全性の高い暖房器具です。

こたつについて、いくつかのリスクを挙げておきましょう。まず、長時間こたつで眠りこんでしまった場合、大量の汗をかいて脱水状態になることがあります。その結果、血液が濃くなり、血栓ができやすくなることで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まる可能性は否定できません。

また、寒い部屋とこたつの中の温度差が大きいと、自律神経が乱れ、風邪をひきやすくなることもあります。個人差がありますが、体調が優れないときには注意が必要です。

さらに、医学的に注意すべき点として、「低温やけど」「脱水」「事故」「火災」の4つが挙げられます。高温でなくても、長時間さらされるとやけどを起こしますし、スイッチの切り忘れで火災を起こすことがあります。乳幼児や高齢者はもちろん、健康な人でも飲酒後にこたつで眠るのは危険を伴います。特に小さな子どもの場合は、こたつで温まることそのものよりも、こたつ布団で顔が覆われたり、コードに足を取られたりすることによる事故の危険性があります。

安全にこたつを使うためには、こまめな水分補給や電源管理、布団や周辺の整理が大切です。

さらに詳しく知りたい方は、「こたつで寝ると風邪を引く?命に関わる?健康効果と注意点」をあわせてご覧ください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

All Aboutサービス・メディア

All About公式SNS
日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
公式SNS一覧
© All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます