スペインの春到来! バレンシアの火祭り、ラス・ファジャス
大小合わせると年間数百ものお祭りがあるスペインですが、中でも有名なのが、パンプローナの牛追い祭りとセビージャの春祭り、そしてラス・ファジャスと呼ばれるバレンシアの火祭りです。お祭りのメイン期間は3月15~19日ですが、3月に入るとバレンシアの街はもうこのお祭り一色。火祭りを盛り上げるシンボルとも言えるマスクレタと呼ばれる爆竹が連日街の広場などで鳴らされ、とても賑やかになります。さて、このお祭り、なぜ「火祭り」とか「ラス・ファジャス(ラテン語のトーチの意味)」と呼ばれるかというと、ファジャ(複数形でラス・ファジャス)という巨大張子人形が街中に飾られ、最終日にコンクールで優秀賞に選ばれたもの以外、全てを燃やしてしまうというお祭りだから。3月15日、16日にかけて街中に設置される最大32メートル(2007年度のもの)と巨大な張子人形は、毎年話題の人物をモチーフにしたり、政治や時事問題を風刺したもの。2011年は、サッカーワールドカップを賑わせたスペインチームリーダーのイケル・カシージャと、恋人のアナウンサーサラ・カルボネ見事スペイン優勝を予測したタコのポールのものが、設置前から話題になっています。コンクールに参加しないものも含めるとなんと計約600体も!
街の中心にある市役所と駅にあるインフォメーションや、お祭り用に街中に設置される案内所で配られるラス・ファジャス地図を手に一つ一つ見て回ると、スペインや世界の時事なども分かって面白いでしょう。
巨大人形以外にも、市内の約30通りが参加する、通りのイルミネーションのコンクールも開催され、ルミナリエ神戸のようにロマンチックな雰囲気です。
火祭りの見どころ
では巨大張子人形巡り以外にどんなことが楽しめるのか、みてみましょう。まず15日から毎晩花火があります。連日24時か1時からなので、見に行かれる方は朝たっぷり眠っておくか、シエスタをした方がいいかもしれません。
16日にはファジャの子供部門の授賞式、17日には全部門の授賞式があります。どのファジャが優秀賞に輝いたか気になりますね。
15日からは、なんとトータル370もの音楽隊が参加する、バレンシアの民族衣装の人々のパレードがあります。さらに17日、18日はサン・ビセンテ通りとラ・パス通りで巨大な聖母マリア像に、民族衣装を着た人々が花を捧げる厳かな儀式も見られます。足の先から頭の先まで、おとぎ話のお姫様のように着飾った女性たちは、火祭りでしか見られないので必見。16日午後のパレードは風刺を取り入れた人形が音楽に合わせて踊りながら街を練り歩くユニークな催しです。
そして最終日の22時から順にファジャが燃やされ、街が真っ赤に燃え染まります。1年間、このお祭りを楽しみにしてきた街の人々や、ファジャ作りに精を出した人々と共に感動の瞬間を味わいましょう。
※プログラムは2011年のものです。