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マイナ保険証への切り替えが進行中!2025年10月から始まった「マイナ救急」とは?

2024年12月で健康保険証の新規発行が終了し、それ以降は、経過措置を織り込みながら「マイナ保険証」、もしくは「資格確認書」の利用へと切り替わっています。今回は、マイナ保険証の仕組みや便利な点、そして新しく始まった「マイナ救急」などについて、分かりやすく解説します。※サムネイル画像:amanaimages

舟本 美子

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2024年12月で健康保険証の新規発行が終了しました。それ以降は、経過措置を織り込みながらマイナンバーカードを健康保険証として使う仕組みの「マイナ保険証」、もしくは「資格確認書」の利用へと切り替わっています。今回は、マイナ保険証の仕組みや便利な点、そして新しく始まった「マイナ救急」などについて、分かりやすく解説します。
マイナ保険証への切り替えが進行中!10月から始まった「マイナ救急」とは?※画像:amanaimages

マイナ保険証への切り替えが進行中!10月から始まった「マイナ救急」とは? ※画像:amanaimages

マイナ保険証とは?

「マイナ保険証」とは、マイナンバーカードを健康保険証として使えるように登録したもののことです。すでに持っているマイナンバーカードに「保険証の機能」を追加するイメージです。

もともと、病院や薬局では紙やプラスチックの健康保険証を提示していましたが、2024年12月をもって新しい保険証の発行が終了しました。このため、今後はマイナ保険証への切り替えが基本となります。

現在は、マイナ保険証を使っている人と、従来の保険証を使っている人が混在していますが、2025年12月には従来の保険証が完全に廃止される予定です。

以降は、医療機関や薬局を利用する際に、次のいずれかで受診することになります。

・マイナ保険証(マイナンバーカード)
・資格確認書(マイナ保険証をまだ持っていない人向けの代替証)


資格確認書は、マイナ保険証を持っていない人でも医療機関を受診できるようにするためのものです。今後は、この2つのどちらかが「健康保険証の役割」を担うことになります。

なお、後期高齢者医療制度の被保険者(75歳以上など)の方については、マイナ保険証を持っているかどうかにかかわらず、「資格確認証」が自動的に交付されます。この資格確認証は申請不要・無料で利用でき、医療機関や薬局でこれまでどおり受診が可能です。この取り扱いは、2026年7月末までの暫定的な運用とされています。

マイナ保険証の便利な点、3つとは?

マイナ保険証を使うことで得られる便利な点、注意点をそれぞれ見ていきましょう。

●便利な点1:医療情報が共有されて質の高い診療につながる
診時・調剤時にマイナンバーカードを用いて受付し、情報提供に同意することで、過去の薬の履歴や特定健診の結果などを、医師や薬剤師と安全に共有できます。

これまでは「どんな薬を飲んでいましたか?」「健診結果はどうでしたか?」と、患者本人が口頭で説明する必要がありましたが、マイナ保険証を利用すればデータで確認できるため、伝え漏れや誤解を防げます。初めて行く病院でも、同意さえすれば必要な情報を正確に共有できるため、より質の高い診療につながります。

●便利な点2:高額療養費の申請が不要に
病気やけがで医療費が高額になった場合、健康保険には「高額療養費制度」という仕組みがあります。これは、1カ月に支払った医療費(入院時の食費や差額ベッド代は対象外)が一定の上限を超えたとき、その超えた分が後から払い戻される制度です。

今までは、一度全額を支払ってから「支給申請書」を提出するか、事前に「限度額適用認定証」を申請しておく必要がありました。しかし、マイナ保険証を利用すれば、こうした手続きなしで自動的に上限額が反映されるため、高額な医療費を一時的に立て替える必要がなくなります。もし入院などで費用が大きくなった場合でも、窓口での支払いが抑えられるのは大きな安心です。

●便利な点3:医療費控除が簡単にできる
毎年の確定申告で「医療費控除」を受ける際、これまでは1年分の領収書を保管して「医療費控除の明細書」を自分で作成する必要がありました。

しかし、マイナ保険証を使えば、医療費の支払い情報がマイナポータルに自動で記録されます。マイナポータルとe-Tax(国税庁のオンライン申告システム)を連携すれば、医療費のデータを自動で取り込み、そのまま申告に使えるようになります。

領収書をまとめる手間がなくなり、申告の準備がぐっと楽になるのも大きなメリットです。

参照:マイナンバーカードの保険証利用について(被保険者証利用について) 厚生労働省

10月1日から「マイナ救急」がスタート

2025年10月1日から、全国で新たに「マイナ救急」という仕組みが始まりました。救急搬送時、マイナ保険証で医療情報を即座に確認できる制度です。

これにより、救急隊や医師が持病・服薬歴などを迅速に把握でき、搬送先の判断や応急処置がより的確に行えるようになります。

マイナ救急にて医療情報を利用するには、マイナンバーカードで健康保険証の利用登録を済ませておくことが必要です。

●マイナ救急で確認できる主な情報
マイナ保険証を通じて、次のようなデータが確認できます。

・診療情報および医療機関で投与されたお薬や薬局などで受け取った過去のお薬の情報
・40歳から74歳までの方の特定健診の情報


特定健診とは、メタボリックシンドロームに着目して行われる健診結果です。また、75歳以上の方は、後期高齢者健診情報となります。

救急の現場では、患者の命を守るために必要な範囲の情報だけが確認されます。また、それ以外の個人情報についても、しっかりとプライバシーが守られる仕組みになっています。

参照:あなたの命を守る「マイナ救急」 あなたの命を守る「マイナ救急」 総務省消防庁

まとめ

健康保険証は、マイナンバーカードを使う「マイナ保険証」へと移行が進んでおり、従来の保険証はすでに新規発行が終了しています。今では、ほとんどの医療機関や薬局でマイナ保険証が利用できます。健康保険証利用の登録は、マイナンバーカードを医療機関や薬局に持参するだけで簡単に完了します。

マイナ保険証の便利さや、救急時に役立つ「マイナ救急」の仕組みも、この機会に知っておきましょう。
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