今回はAll About編集部に寄せられたエピソードの中から、「カトラリーを落としてしまったとき」の体験談を紹介しつつ、All About 暮らしのマナーガイドの諏内えみが理想的な振る舞いについて解説します。
「恥ずかしかったです」
All About編集部が実施した「食事マナーに関するアンケート」では、カトラリーを落としたときに恥ずかしい思いをしたという女性の体験談が寄せられました。「高級なお店でカトラリーを落としてしまい慌てて自分で拾いました。すみませーんと大きな声でスタッフを呼んだのですが、何もせずにじっとしておけばいい、と聞き恥ずかしかったです」(40代女性/福岡県)
“育ちがいい人”は瞬時にできる
食事中にカトラリーを落としてしまうことは、多くの方が一度は経験するのではないでしょうか。アンケートでも、「高級なお店で慌てて拾ってしまい、かえって恥をかいた」という声が寄せられました。ほんの些細な出来事ですが、その場の雰囲気や周囲の人に与える影響には大きな違いが生まれます。高級料理店や格式あるレストランでは、まず慌てないことが大切です。無理にかがんで拾おうとすると、かえって動作が目立ち、お店の雰囲気を壊すことも考えられます。スタッフを静かに呼び、「失礼しました。新しいものをお願いします」と一言添えれば十分。落ち着いた所作こそが、その場の雰囲気を保ち、同席者にも安心感を与えます。
一方、ファミリーレストランやカジュアルな飲食店では、対応は少し柔らかく考えてよいでしょう。周囲の目を強く気にする必要がなければ、手が届く範囲なら自身で拾って構いません。急いでいなければ、スタッフが席に来た際に、「先ほど落としてしまったので、新しいものをいただけますか」と自然なタイミングでお願いすれば、お店にとっても負担にならず、場の雰囲気も乱れません。
つまり、シチュエーションに応じて自分の行動を切り替えられるかどうかが重要です。高級レストランでは慌てずスタッフに任せる、カジュアルなお店では自分で処理するのも選択肢の1つ。そうした判断を瞬時にできる人こそが、“育ちがいい人Ⓡ”。場の格や雰囲気を尊重し、相手にもお店にも心地よさを残すことができますよ。
<調査概要>
食事マナーに関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査実施日:2025年5月12日
調査対象:全国20~60代の250人(男性:84人、女性:163人、その他:3人)
※回答者のコメントは原文のまま記載しています