飛行機の旅

なぜドイツに「大阪通り」!? 第2次大戦時の巨大遺構から世界文化遺産の絶景も【2025年最新】

ハンブルクは14世紀に「ハンザ同盟」の自由都市として栄え、現在もその歴史や風土を受け継ぎながら、新スポットが次々と誕生しています。実は、日本との接点も随所に。ドイツでも屈指の“最先端”が感じられるハンブルクの街歩きとあわせて紹介します。

シカマ アキ

シカマ アキ

飛行機の旅 ガイド

大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに、取材、執筆、撮影など。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も。

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日本人に人気の国「ドイツ」は、古城や中世の街並みといった定番の観光ルートに加え、ヨーロッパの中でも「治安が比較的いい」「英語が通じやすい」「日本からの直行便が多い」など、さまざまな魅力があります。

その中でも、ドイツ第2の都市「ハンブルク」は、気軽に街歩きを楽しめる、「女子1人旅」にもおすすめの場所です。世界遺産の倉庫群やグルメ、ショッピングに加え、音楽やサッカーなど熱心なファンが集まるスポットもあり、実はコンパクトな都市ながら見どころが満載です。
<目次>

第2次大戦時の巨大遺構「ハンブルク・バンカー」が展望スポットに!

ハンブルクで今話題のスポットが、ザンクト・パウリ地区にある「ハンブルク・バンカー」です。遠くからでも存在感抜群で、屋上まで登ることができるうえ、入場は無料です。
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「ハンブルク・バンカー」は戦時中の格納庫に上部を増築した施設(筆者撮影、以下同。※一部、提供画像あり)

第2次世界大戦時に使用されていた掩蔽壕(えんぺいごう=軍用機を空襲から守るための格納庫)が、近年改修されました。取り壊さず、あえて残すことで、先の大戦の歴史を後世に伝える意義もあるとのこと。
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第2次世界大戦中のハンブルク。ナチスが防衛する様子の写真

かつて掩蔽壕だった場所の上に、5階分が増築され、2万本以上の木々が植えられて、約1万平方mの屋上庭園となりました。ユネスコ世界文化遺産である「倉庫街とチリハウスを含む商館街」や運河などを、360度パノラマビューで眺めることができます。 
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屋上付近からの眺め。眼下にドイツ・ブンデスリーガ「ザンクト・パウリ」のスタジアム

特に夏季は、朝9時から夜11時まで開放されています。眼下には、ドイツ・ブンデスリーガで人気のサッカーチーム「ザンクト・パウリ」のスタジアムも。
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ハンブルク・バンカーから360度パノラマビューを無料で楽しめる

Hamburg BUNKER / St. Pauli Bunker
住所:Feldstraße 66 20359 Hamburg, Germany

日本に魅せられた芸術家の作品を全身で! 没入型アート施設

2025年4月、ハンブルクで初となる没入型(イマーシブ)アート施設「Port des Lumières(ポート・デ・ルミエール)」がオープンしました。
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ハンブルク初の没入型アート施設「Port des Lumières」

ショッピングモール「Westfield Hamburg-Überseequartier(ウェストフィールド・ハンブルク・ウーバーゼー)」に隣接。館内では、約1700平方mの空間と高さ約10mの壁一面に、色鮮やかな映像が次々と映し出され、迫力ある音楽とともに、美術館を超える“五感”を刺激する壮大な世界を体験できます。
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「Port des Lumières」でグスタフ・クリムトの作品を映像で体験

映像作品は、2025年7月現在、ジャポニズム(※)の影響を受けたオーストリアの有名画家グスタフ・クリムトなどの作品が上映されています。内容は定期的に入れ替わります。
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床に座ったり寝転がったりしての鑑賞もできる

館内を自由に散策したり、港湾都市ハンブルクを象徴する船首を模した展望台から全体を見渡したり、床に寝転んで鑑賞することもできます。
 
※19世紀後半のヨーロッパで広まった、浮世絵をはじめとする日本の美術や工芸品への関心と、それが西洋美術に与えた影響のこと
 
Port des Lumières
住所:Platz am 10. Längengrad 1, 20457 Hamburg, Germany
営業時間:10時~19時
入場料:大人18ユーロ、15歳以下9.90ユーロなど

「チームラボ」欧州初進出“ボーダレス”は2026年オープン

日本・東京発のデジタルコンテンツで知られる国際的アート集団「チームラボ」が、ハンブルクに進出します。再開発が進むハーフェンシティに、2026年中にオープン予定の「デジタルアートミュージアム」です。
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欧州初の「チームラボボーダレス」がハンブルクの「Digital Art Museum」に2026年オープン予定(画像:team Lab/Digital Art Museum)


チームラボの大型常設展は東京や上海など海外でも人気があり、ヨーロッパではハンブルクが初開催となります。デジタルアートのミュージアムとしてもヨーロッパ最大規模を誇ります。
 
「チームラボボーダレス」は、チームラボによる境界のないアート作品群をデジタルテクノロジーで展開し、全身でその世界に“没入”できる体験型施設です。その規模は、全館の床面積が7000平方m以上、天井高は最大10mに及びます。すでにドイツをはじめとする欧州各国で話題となっており、他都市と同様に“映え”要素も満載です。東京や他の都市で開催されているチームラボの展示と比較してみるのもおすすめです。
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チームラボ《花と人の森、埋もれ失いそして生まれる》2017, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi(画像:team Lab/Digital Art Museum)

UBS Digital Art Museum
住所:Amerigo-Vespucci-Platz, 20457 Hamburg, Germany
入場料:大人19.90ユーロ、5~15歳9.90ユーロ、4歳以下無料

愛好家にたまらない「コーヒー博物館」のカフェ&ショップ

港湾都市ハンブルクは、ドイツきっての「コーヒー」の街。そのレトロな雰囲気を味わえる場所が、世界遺産にも登録されている倉庫街にある「Kaffeemuseum Burg(コーヒー博物館)」です。
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ハンブルクはコーヒー豆の貿易港としてアメリカ・ニューヨークに次ぐ世界第2位

街中のカフェを巡る前に、まずはこちらを訪れるのがおすすめ。カフェやショップとして気軽に立ち寄ることができ、コーヒーなどの価格もリーズナブルです。
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コーヒー博物館には歴史や器具などの展示のほか、イートインのスペースも

数多くのコーヒー豆やコーヒーマシンが並び、バリスタがコーヒーを丁寧に淹れながら、豊富な知識をもとにさまざまなことを教えてくれます。運が良ければ、コーヒーのテイスティング(試飲)も体験できます。コーヒー愛好家にはたまらない場所です。
 
Kaffeemuseum Burg
住所:St. Annenufer 2, 20457 Hamburg, Germany
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日

ハンブルクの街中に「大阪通り」が存在する理由

ハーフェンシティにある「OSAKA」の文字。「Osakaallee(大阪通り)」と名付けられたこの通りは、ハンブルク市と大阪市が友好都市であることに由来します。
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ハーフェンシティにある「大阪通り」、大阪市とハンブルク市は友好都市

それぞれの国を代表する港湾都市であり、港や運河があり、歴史を感じさせる街並みが広がっています。大阪市出身の筆者が歩くと、確かに「共通する部分がある」と感じられました。
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ハンブルクの夕暮れ。特に港はフォトジェニックなスポット

ハンブルク空港から鉄道(Sバーン)でハンブルク中央駅まで約30分。市内には地下鉄やバスの路線網が発達しており、交通アクセスのよさは抜群。

さらに、世界遺産や新しい観光スポット、大型ショッピングモールや地元の市場での買い物、音楽やバレエなどの芸術の街としても知られています。ドイツの主要都市の中でも治安がよく、安心して街歩きを楽しめる点もおすすめです。
 
<参考>
ドイツ観光局 公式LINE(日本語)
ドイツ観光局 公式Instagram(日本語)
German Travel(英語)
Hamburg Tourismus(英語・ドイツ語)
 
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